TradingViewの内蔵ストラテジー「MovingAvg2Line Cross」を紹介
この記事では、TradingViewにデフォルトで内蔵された「MovingAvg2Line Cross」について紹介します。
1.ロジック概要
2本の移動平均線(SMA)のゴールデンクロスでロング、デッドクロスでショートするという、トレンドフォローの王道的な戦略です。
ただし、ドテンで売買を繰り返す設計であるため、トレンドが発生していない場面でもトレードを行ってしまいます。
デフォルトでは短期線が期間9、長期線が期間18に設定されています。
各移動平均線は、任意の値に変更可能です。
TradingViewの説明によれば、スイングトレードやモメンタムトレードに有用とのことです。
2.ストラテジーテスター
パラメーターは以下の2種類です。
決済するまでは新規ポジションが建たないドテンのストラテジーであるため、パラメーターの値(クロスの頻度)をどう設定するかによってトレード回数に格差が生じます。
【パラメーター初期設定】
短期 | 9(短期SMAの値) |
長期 | 18(長期SMAの値) |
【プロパティ初期設定】
初期資金 | 1,000,000(ストラテジーで取引可能な初期資金) |
基準通貨 | デフォルト(ストラテジーの計算や結果に使われる通貨) |
発注サイズ | 1取引(取引ごとの枚数) |
ピラミッディング | 1注文(同じ方向に連続してエントリーできる最大数) |
トレンドが発生していない場合は、短期線と長期線が横ばいに推移して頻繁にクロスしてしまいます。
このような局面ではダマシとなる傾向が強いです。
その一方で、明確なトレンドや調整の波動が描かれる場合は、有効に機能する傾向があります。
移動平均線の値については、5、10、25、75、200などが広く使われる値です。
これらを中心に試してみると良いでしょう。
ただし、パラメーターを最適化しすぎると、将来の相場で通用しづらくなります。
以下のテストは、すべてデフォルト設定で行っています。
テスト序盤は右肩上がりですが、ピークをつけてからは下がり続けています。
相場環境に影響を受けやすいようです。
相場の上下動にメリハリがあるポンド/円は、右肩上がりの推移でした。
クロスが頻出してしまう不利な場面でもトレードを休むことがなく、そのため低勝率、低プロフィットファクターの成績になる傾向があります。
その反面、明確なトレンドや、値幅の大きな上下動が発生しやすい通貨ペア、時間軸であれば、有効に機能しやすいといえます。
3.注意すべきポイント
- 1.明確なトレンドが発生しやすい通貨ペア、時間軸なら有用
- 2.レンジ相場ではダマシが多くなる
- 3.プロフィットファクターが悪くなる傾向
- 4.パラメーターの変更で成績向上が図れる可能性あり
- 5.ドテンではなく決済(および新規建て)をアレンジすることで成績向上が図れる可能性あり
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