強い雇用統計で米ドル上昇 今週は米国消費者物価指数に注目 OANDAラボ-マーケット最新情報(2022年8月8日)
先週のFX市場の動き
先週のFX市場は、前週は弱い動きとなった米ドル、ユーロが強い推移となったのに対し、前週強かった円が対主要通貨で全面安に転じました。
【先週の主要8通貨の通貨別の騰落率】
【直近1ヶ月の主要8通貨の通貨の強弱チャート】
直近1ヶ月を見ると、円の反発が一服、軟調な推移となっていた米ドル、ユーロが反発し、全体の強弱の差が収縮するような状態になりました。
【先週のFXの主要28通貨ペアの騰落率ランキング】
主要銘柄の相関性分析
先週のドルストレートの相関性を見ると、全体的に相関性を見出すことができます。
【先週の主要ドルストレート通貨ペアの相関性】
また、ドル円、クロス円の通貨ペアも全体的に相関性が高く、近い動きとなっていたようです。
【先週のドル円、クロス円の相関性】
ユーロを含む主要な通貨ペアを見ると、全体的に相関性が低く、ユーロの強弱は明確ではなかったようです。
【先週のユーロを含む主要な通貨ペアの相関性】
先週の株価指数CFDの動き
米国市場
先週の米国の株価指数CFDは、全体的に底堅い推移が続きました。
欧州市場
欧州の株価指数も全体的に底堅く、全体的に高値圏で横ばい推移となりました。
アジア・オセアニア市場
先週のアジア・オセアニアの株価指数は日本やオーストラリア、シンガポール、台湾等の株価指数が引き続き、底堅いのに対し、中国や香港の株価指数は軟調な推移が続いています。
【株価指数CFDの騰落率ランキング】
米国債利回りの推移
【残存期限別の米国債利回りの推移】
先週の米国債利回りは、短期のものを中心に反発に転じています。
出所:U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY
【直近5週間の金曜日の米国債イールドカーブの比較】
直近5週の金曜日のイールドカーブの比較を見ると、短期債利回りが上昇、中長期の利回りが低下しており、逆イールドが続いています。
【米国債イールドカーブの変化(3Dグラフ)】
出所:U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY
【直近5営業日のFedWatchToolにおける次回FOMC会合時の政策金利予測の推移】
金利先物市場では、次回(2022年9月開催)のFOMCに関して、前週は50bpの利上げとの見方が中心でしたが、先週末には強い雇用統計の結果を受けて、75bpの利上げとの見方が中心に変わりつつあるようです。
出所:CMEグループ
FedWatchToolにおける次回FOMC会合時の政策金利予測の推移
OANDA、先物市場のポジション、主要銘柄の値動き
FX
米ドル/円(USD/JPY)
先週のドル円は前半は下値を探る動きが続き、130円台まで下押しする動きとなった後、反発に転じ、週末には、135円台まで回復する動きとなりました。
OANDAのオープンポジションを見ると、売りポジションに少し傾く状態の中、直近の反発で苦しくなった売りポジションが増えています。
このため、高値を切り上げる動きとなると損切りの買い、下値を探る場面では安堵の買い戻しが増え、底堅い状態が続く可能性を見出すことはできそうです。
4時間足チャートを見ると、高値、安値を切り上げ、上昇基調に転じつつあります。下押しの際は安値を結んだラインや直近のサポート水準を守れるか、上値を探る場面では、高値を切り上げることができるか等に注目しながら、上昇基調継続の可能性を探っていきたいです。
【USD/JPYの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
先週火曜日時点における投機筋の円の通貨先物市場のポジションは、円売りポジションの比率が減少となりました。
【投機筋の通貨先物市場の円のポジションの推移(最終更新日2022/8/2)】
ユーロ/米ドル(EUR/USD)
先週のユーロドルは方向感を見出しにくい横ばい推移が続きました。
OANDAのオープンポジションを見ると、買いポジション比率がやや高い中、直近のレンジとなる1.01-1.03付近で構築されたポジションが増えています。このため、このレンジを上下にしっかりと抜けるような動きとなると、苦しくなった方のポジションの損切り注文が増える可能性に注意が必要となりそうです。
4時間足チャートを見ると、横ばい推移が続く中、先週は少し高値を切り上げる動きとなりましたが、その後も方向感の鈍い動きが続いています。
今週も、高値、安値を結んだラインや直近の高値、安値等に注目しながら、均衡が上下いずれに崩れるかを根気強く見守りたいです。
【EUR/USDの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
投機筋のユーロの通貨先物市場のポジションは前週と大きな変化はなく、売りポジションに少し傾く状況が続いています。
【投機筋の通貨先物市場のユーロのポジションの推移(最終更新日2022/8/2)】
ポンド/米ドル(GBP/USD)
先週のポンドドルは序盤に高値を切り上げる動きとなったものの、その後は上値の重い推移となり、安値を結んだラインを割り込む動きとなりました。
OANDAのオープンポジションを見ると、買いポジション比率が60%程度まで増加する中、下押しにより、苦しくなった買いポジションが増えています。
このため、安値を切り下げる動きとなると、損切りの売り、反発した水準では安堵の利益確定売りが上値を圧迫し、上値の重い状態が続く可能性を見出すことができそうです。
4時間足チャートを見ると、安値を結んだラインを下抜け、下落基調に転じつつあります。反発の際は高値を結んだラインや直近の高値水準を突破できるか、下値を探る場面では直近のサポート水準を守れるか等に注目しながら、下落基調継続の可能性を探っていきたいです。
【GBP/USDの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
先週の投機筋のポンドの通貨先物市場のポジションは前週と大きな変化はなく、売りポジション比率が優勢な状態が続いています。
【投機筋の通貨先物市場のポンドのポジションの推移(最終更新日2022/8/2)】
豪ドル/米ドル(AUD/USD)
先週の豪ドルは序盤こそ高値を切り上げる動きとなったものの、その後は上値の重い推移が続きました。
OANDAのオープンポジションを見ると、買いポジションに少し傾いていますが、直近の下押しで含み損を抱えた買いポジションが増えています。
このため、安値を切り下げる場面では、これらのポジションの損切りの売りが増え、上値を探る場面では、これらのポジションの利益確定の売りが上値を圧迫し、上値の重い推移が続く可能性を見出すことができそうです。
4時間足チャートを見ると、上昇基調が続いていましたが、直近では安値を結んだラインや直近の安値を割り込み、高値、安値を切り下げる下落基調に転じています。
反発に転じる場面では高値を結んだラインや直近の高値水準を突破できるか、下値を探る場面では直近の安値水準を守れるか等に注目しながら、下落基調継続の可能性を探っていきたいです。
【AUD/USDの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
投機筋の豪ドルの通貨先物市場のポジションは売りポジション比率が増加となりました。
【投機筋の通貨先物市場の豪ドルのポジションの推移(最終更新日2022/8/2)】
CFD
米国S&P株価指数500(US500)
先週のUS500は底堅い推移が続き、4100台で推移しています。
OANDAのオープンポジションを見ると、売りポジションに少し傾く中、高値圏で推移しているため、その多くが含み損を抱えている状況です。
このため、下押した水準では安堵の買い戻し、高値を切り上げる動きとなると、損切りの買いが増え、底堅い推移が続く可能性を見出すことはできそうです。
4時間足チャートを見ると、上昇基調が続いていますが、下押しの際は安値を結んだラインや直近の安値水準を守れるか、上値を探る場面では直近の高値水準を突破できるか等に注目しながら、上昇基調継続の可能性を探っていきたいです。
また、RSI等を見ると、上昇の勢いが少し和らいでいる点には注意が必要となりそうです。
【US500の4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
投機筋のS&P500先物市場では、前週と大きな変化はなく、売りポジションに大きく傾く状況が続いています。
【投機筋の先物市場のS&P500 E-miniのポジションの推移(最終更新日2022/8/2)】
今週の注目材料
今週の水曜日(2022/8/10)には、米国の消費者物価指数の発表が予定されています。
今後の米国の金融政策を占う上で重要な経済指標となるため、発表前後は米ドルを含む通貨ペアや米国株を中心に大きく変動する可能性に注意が必要です。
また、消費者物価指数と比べるとインパクトは限定的と予想されますが、木曜日に発表される消費者物価指数の先行指標の一つとなる生産者物価指数、金曜日に発表されるミシガン大学消費者調査の中の予想インフレ率のデータ等も併せて確認したい経済指標です。
仮に、インフレ率上昇に歯止めがかからないような結果となると、次回以降のFOMCにおける利上げペースアップや緊急会合による利上げの可能性などが意識されるかもしれません。
【参考資料】
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