米国雇用統計等の経済指標に注目 OANDAラボ-マーケット最新情報(2022年5月30日)
今週の注目材料
今週は週末に米国で5月の雇用統計の発表が予定されているほか、ISM景況指数等の経済指標の発表が予定されています。今後の米国の金融政策を占う上で重要な指標となるため、市場予想との乖離が大きいと、市場が過敏に反応する可能性があるため、注意したいです。
欧州では、ユーロ圏の消費者物価指数の速報値の発表が予定されています。市場予想を上回る結果となると、ECBの金融引き締め強化が意識され、ユーロの下支え材料となりそうです。
また、引き続きウクライナ情勢等の最新の報道にも注意したいです。
【参考資料】米国雇用統計の主要なデータ
先週のFX市場の動き
先週は米国の金融引き締めへの警戒感が和らいだこともあり、米ドル、円が弱い推移となったのに対し、ユーロ、スイスフラン、豪ドル、NZドル等が比較的強い動きとなりました。
【先週の主要8通貨の通貨別の騰落率】
【直近1ヶ月の主要8通貨の通貨の強弱チャート】
直近1ヶ月では、円、米ドルが強く、資源国通貨が弱い推移が続いていますが、徐々に差が縮小しつつあるようです。
【先週のFXの主要28通貨ペアの騰落率ランキング】
主要銘柄の相関性分析
先週のドルストレートの相関性を見ると、全体的に対ドルで多少の相関性はあるものの、高い数値でもありませんでした。主要通貨の中で、米ドルが最弱であったものの、それほどはっきりとした強弱ではなかったようです。
【先週の主要ドルストレート通貨ペアの相関性】
ドル円、クロス円の通貨ペアは全体的に多少の相関性を見出すことはできますが、比較的低い数値で、円の強弱もそれほど明確ではなかったようです。
【先週のドル円、クロス円の相関性】
ユーロを含む主要な通貨ペアの相関性は全体に薄く、ユーロの強弱も明確ではありませんでした。
【先週のユーロを含む主要な通貨ペアの相関性】
先週の株価指数CFDの動き
米国市場
先週の米国の株価指数CFDは、序盤こそ上値の重さが残ったものの、後半は底堅く、反発地合いが続きました。
欧州市場
欧州の株価指数CFDも底堅く、週末には、直近の高値を切り上げる動きとなりました。
アジア・オセアニア市場
先週のアジア・オセアニアの株価指数も週末にかけて底堅い動きとなりました。
【株価指数CFDの騰落率ランキング】
米国債利回りの推移
【残存期限別の米国債利回りの推移】
米国債利回りは、全体的に伸び悩む状態が続いています。
出所:U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY
【直近5週間の金曜日の米国債イールドカーブの比較】
直近5週の金曜日のイールドカーブを比較を見ると、前週に続き、超短期のものを除いては低い水準となりました。
【米国債イールドカーブの変化(3Dグラフ)】
出所:U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY
OANDA、先物市場のポジション、主要銘柄の値動き
FX
米ドル/円(USD/JPY)
先週のドル円は、一時126円台前半まで下押しする動きとなりましたが、その後は下げ渋り、127.00を挟んだ攻防が続いています。
OANDAのオープンポジションを見ると、売りポジションに傾いていますが、安値圏で推移しているため、含み損を抱えた買いポジションが多く、反発した水準では利益確定売り、安値を切り下げる動きとなると、損切りの売りが増え、上値の重さが残る可能性を見出すことができそうです。
一方で直近の下げ渋りでストレスを抱えた売りポジションも増えており、下押した水準では安堵の買い戻し、上昇した水準ではこれらのポジションの損切りの買いが増え、底堅さを見せる可能性を見出すこともできそうです。
4時間足チャートを見ると、徐々に価格が収縮する動きとなっています。ますは、高値、安値を結んだラインや直近の高値、安値の水準等に注目しながら、均衡が上下いずれに崩れるかに注目しながら、方向感を探っていきたいです。
【USD/JPYの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
先週火曜日時点における投機筋の円の通貨先物市場では円売りポジションに大きく傾く状況が続いていますが、前週に続き、売りポジション比率が減少となりました。
【投機筋の通貨先物市場の円のポジションの推移(最終更新日2022/5/24)】
ユーロ/米ドル(EUR/USD)
先週もユーロドルは、底堅く、1.07台後半まで上昇する動きとなりました。
OANDAのオープンポジションを見ると、買いポジションに傾いてはいるものの、反発が続いたことで苦しくなった売りポジションが増えています。このため、下押した水準では利益確定の買い戻し、高値を切り上げる場面では損切りの買いが増え、底堅い推移が続く可能性を見出すことが出来そうです。
4時間足チャートを見ると、直近の安値、高値を切り上げ、反発地合いが続いていますが、下押しの際は安値を結んだトレンドラインや直近の安値水準を守れるか、上値を探る動きとなった場合は、直近の高値を切り上げることができるか等に注目しながら、反発地合いが続くかを見守りたいです。
【EUR/USDの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
投機筋のユーロの通貨先物市場のポジションは買いポジションが増加したのに対し、売りポジションが減少し、買いポジションの比率が増加しています。買いポジション比率の増加傾向が続くかを見守りたいです。
【投機筋の通貨先物市場のユーロのポジションの推移(最終更新日2022/5/24)】
ポンド/米ドル(GBP/USD)
先週のポンドドルは底堅い推移が続き、1.267付近まで上昇する動きとなりました。
OANDAのオープンポジションを見ると、買いポジションに傾く中、底堅い推移が続いたことで苦しくなった売りポジションが増えています。このため、下押した水準では安堵の買い戻し、高値を切り上げる動きとなると、損切りの買いが増え、底堅い動きが続く可能性を見出すことができそうです。
4時間足チャートを見ると、緩やかな上昇基調が続いています。下押しの際は、安値を結んだラインや直近の安値水準を守れるか、上値を探る場面では直近の高値を切り上げることができるか等に注目しながら反発地合いが続くかを見守りたいです。
【GBP/USDの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
先週の投機筋のポンドの通貨先物市場のポジションは前週から大きな変化はなく、売買の偏りはほぼ横ばいとなりました。
【投機筋の通貨先物市場のポンドのポジションの推移(最終更新日2022/5/24)】
豪ドル/米ドル(AUD/USD)
先週の豪ドルは底堅く、0.71台後半まで上昇となりました。
OANDAのオープンポジションを見ると、買いポジション比率が6割程度の中、底堅い推移が続いたことにより、含み損を抱えた売りポジションが増えています。このため、下押した水準では安堵の買い戻し、高値を切り上げる動きとなると損切りの買いが増え、底堅い推移が続く可能性を見出すことはできそうです。
4時間足チャートを見ると、高値、安値を切り上げる上昇基調が続いています。このため、下押しの際には安値を結んだライン、直近の安値水準を守れるか、上値を探る場面では、直近の高値水準を突破できるか等に注目しながら、反発地合い継続の可能性を探っていきたいです。
【AUD/USDの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
投機筋の豪ドルの通貨先物市場のポジションは売買双方が減少する中、売りポジションの比率が少し増えています。
【投機筋の通貨先物市場の豪ドルのポジションの推移(最終更新日2022/5/24)】
CFD
米国S&P株価指数500(US500)
先週のUS500は序盤こそ上値の重い推移となったものの、後半は底堅く、4100台後半まで上昇する動きとなりました。
OANDAのオープンポジションを見ると、買いポジションに傾いていますが、直近の反発で苦しくなった売りポジションが増えています。
このため、下押しした水準では安堵の買い戻し、高値を切り上げる動きとなると、損切りの買いが増え、底堅い推移が続く可能性を見出すことはできそうです。
4時間足チャートを見ると、下落基調が続きましたが、直近の高値を切り上げる動きに転じています。下押しの際は安値を結んだラインや直近の安値水準を守れるか、上値を探る場面では直近の高値水準を切り上げることができるか等に注目しながら、反発試合が続くかを見守りたいです。
【US500の4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
投機筋のS&P500先物市場では買いポジションはほぼ前週と変わらなかったのに対し、売りポジションが増加し、全体では買いポジション比率が減少となりました。
【投機筋の先物市場のS&P500 E-miniのポジションの推移(最終更新日2022/5/24)】
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