先週は円が最弱通貨、今週はEU首脳会議等に要注意 OANDAラボ-マーケット最新情報(2022年3月21日)
今週の注目材料
今週は米国で耐久財受注や新築住宅販売件数などの経済指標の発表が予定されているほか欧州ではPMIや独IFO景況指数、英国では消費者物価指数、小売売上高等の経済指標の発表が予定されています。
経済指標の他には、パウエルFRB議長をはじめとするFOMC参加者のコメント機会も数多く予定されています。
ただし前週に米国、日本、英国等で金融政策の発表があったばかりということもあり、個々の影響は限定的となるかもしれません。
また、ロシアのウクライナへの侵攻に関する報道にも引き続き注意が必要となりそうです。
今週はEU首脳会議やNATOの首脳会合などが予定されています。これらに米国のバイデン大統領が参加する予定との報じられており、注目が集まっています。
これらの会合に関する報道や戦況に関する報道、ロシア、ウクライナの関係者等からのコメントなどに注意したいです。停戦への期待感が膨らむような内容であればリスクオン、停戦に向けて消極的な内容となるとリスクオフで反応となりそうです。
先週のFX市場の動き
先週のFX市場は日米英で金融政策を決定する会合が行われ、金融緩和縮小に向かう欧米と強力な金融緩和を維持する日本との金融政策のスタンスの違いが意識されたことやウクライナ危機への過度な警戒感が和らいだこと等を受けて円の弱さが目立ったほか、米ドル、スイスフランが弱い動きとなりました。これに対し、豪ドルやNZドル、カナダドルといった資源国通貨が強い動きとなりました。
【先週の主要8通貨の通貨別の騰落率】
【直近1ヶ月の主要8通貨の通貨の強弱チャート】
【先週のFXの主要28通貨ペアの騰落率ランキング】
主要銘柄の相関性分析
先週のドルストレートの相関性を見ると、対スイスフラン以外では比較的相関性が高い動きとなりました。
【先週の主要ドルストレート通貨ペアの相関性】
ドル円、クロス円の通貨ペアの相関性は全体的に高く、円は対主要通貨で近い動きをしていたのが確認できます。
【先週のドル円、クロス円の相関性】
また、ユーロを含む主要な通貨ペアの相関性は全体的にまとまりがなく、ユーロ中心の相場ではなかったようです。
【先週のユーロを含む主要な通貨ペアの相関性】
先週の主要通貨ペアと米国株価指数(ここでは代表的なUS500との相関性を表示しています)の相関性を見ると、ドル円、クロス円とUS500の相関性が高いほか、EUR/USD、GBP/USD、AUD/USDとの相関性も高い動きとなりました。
【先週の主要銘柄と米国株価指数の相関性】
先週の株価指数CFDの動き
米国市場
先週の米国の株価指数CFDは、底堅い推移が続き、直近の高値を切り上げる動きとなりました。
欧州市場
欧州の株価指数CFDも緩やかな反発地合いが続いています。
アジア・オセアニア市場
先週のアジア・オセアニアの株価指数CFDは全体的に底堅い動きとなりました。下押しが目立っていた中国・香港の株価指数も反発に転じています。
【株価指数CFDの騰落率ランキング】
米国債利回りの推移
【残存期限別の米国債利回りの推移】
米国債利回りは、短期債、長期債がいずれも再上昇となりました。
出所:U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY
【直近5週間の金曜日の米国債イールドカーブの比較】
直近5週の金曜日のイールドカーブを比較すると、全体的に上昇しているのが確認できます。
【米国債イールドカーブの変化(3Dグラフ)】
出所:U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY
OANDA、先物市場のポジション、主要銘柄の値動き
FX
米ドル/円(USD/JPY)
先週のドル円は、上昇基調が続き、119台に乗せる動きとなりました。
OANDAのオープンポジションを見ると、売りポジションへの偏りが60%を超える中、高値圏での推移が続いているため、その多くが含み損を抱えている状況です。
このため、下押しの際は安堵の買い戻し、高値を切り上げる動きとなると損切りの買いが増え、底堅い推移が続く可能性を見出すことができそうです。
4時間足チャートを見ると、均衡が崩れ、上昇基調が続いています。下押しの際は安値を結んだラインや直近のサポート水準を守れるか、上値を探る場面では高値を更新できるか等に注目しながら、上昇基調継続の可能性を探っていきたいです。
一方で日足のRSIが70を超える水準で推移しているほか、オープンポジションでも高値圏で買い利益が伸びずストレスを抱えているポジションが少し増えているため、短期的には下押しにも警戒が必要かもしれません。
【USD/JPYの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
先週火曜日時点における投機筋の円の通貨先物市場のポジションは、売りポジションが増加となりました。依然として売りポジションに傾く状態が続いています。
【投機筋の通貨先物市場の円のポジションの推移(最終更新日2022/03/15)】
ユーロ/米ドル(EUR/USD)
先週のユーロドルはジリジリと上昇し、一時は1.11台まで上昇する動きとなりました。
OANDAのオープンポジションを見ると、買いポジションに少し傾いているものの、直近の反発で苦しくなった売りポジションが少し増えています。
このため、下押した水準では、安堵の買い戻し、高値を切り上げる動きとなると、これらのポジションの損切りが増え、底堅い推移が続く可能性を見出すことはできそうです。
4時間足チャートを見ると、直近の安値、高値を切り上げる動きに転じており、下落基調が一段落したのが確認できます。下押しの際には安値を結んだラインや直近の安値水準を守れるか、上値を探る場面では直近の高値を切り上げることができるか等に注目しながら、反発地合いが続くかを見守りたいです。
【EUR/USDの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
投機筋のユーロの通貨先物市場のポジションは買いポジション比率が低下となりました。依然として買いポジションに傾いているものの、偏りは少なく、今後、どちらに傾くかを見守りたいです。
【投機筋の通貨先物市場のユーロのポジションの推移(最終更新日2022/03/15)】
ポンド/米ドル(GBP/USD)
先週のポンドドルは1.3を背に底堅い推移が続き、1.32に迫る動きとなりました。
OANDAのオープンポジションを見ると、買いポジション比率が高い状態ですが、直近の反発で苦しくなった売りポジションが増えています。
このため、下押した水準では安堵の買い戻し、高値を切り上げる動きとなると損切りの買いが増え、底堅い推移が続く可能性を見出すことができそうです。
4時間足チャートを見ると、下落基調が続いていましたが、直近では安値を切り上げるような動きとなっており、流れが変わる可能性も考えられそうです。
まずは直近のレジスタンス水準となる1.32付近を突破できるか、下押しの際は安値を結んだラインや直近のレジスタンスラインを突破できるか等に注目しながら反発地合いが続くかを見守りたいところです。
【GBP/USDの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
先週の投機筋のポンドの通貨先物市場のポジションは売りポジションが増加し、偏りが大きくなってきました。今後もこの傾向が続くかを見守りたいです。
【投機筋の通貨先物市場のポンドのポジションの推移(最終更新日2022/03/15)】
豪ドル/米ドル(AUD/USD)
先週の豪ドルは前半は上値の重い推移となりましたが、後半は反発に転じ、下落分を取り戻す動きとなりました。
OANDAのオープンポジションを見ると、売買の偏りは少ない中、高値圏で推移しているため、含み損を抱えた売りポジションが増えています。
このため、下押した水準では安堵の買い戻し、高値を切り上げる動きとなると、これらのポジションの損切りの買いが増え、底堅い推移が続く可能性を見出すことができそうです。
4時間足チャートを見ると、1月末からの安値を結んだライン付近でサポートされる動きが続いています。下押しの際はこの水準を守れるか、上値を探る場面では直近の高値水準となる0.744付近を突破できるか等に注目しながら方向感を探っていきたいです。
【AUD/USDの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
投機筋の豪ドルの通貨先物市場のポジションは売りポジションに大きく傾く状況が続いていましたが、先週は売りポジションが大幅に縮小となりました。今後も売りポジションの減少傾向が続くかを見守りたいです。
【投機筋の通貨先物市場の豪ドルのポジションの推移(最終更新日2022/03/15)】
CFD
米国S&P株価指数500(US500)
先週のUS500は序盤に下値を探る動きとなるも直近の安値付近で踏ん張り、反発となりました。
OANDAのオープンポジションを見ると、依然として買いポジションに傾いているものの、直近の反発により、含み損を抱えた売りポジションが増えています。
このため、下押した水準では安堵の買い戻し、高値を切り上げる動きとなると損切りの買いが増え、底堅い推移が続く可能性を見出すことができそうです。
4時間足チャートを見ると、安値切り下げに失敗した後、直近の高値水準を上抜ける動きとなり、下落基調から反発地合いに転じているのが確認できます。
下押しの際は過去にレジスタンスとなった水準や直近の安値水準を守れるか、上値を探る動きとなった場合は、高値を切り上げることができるか等に注目しながら、反発地合いが続くかを見守りたいです。
【US500の4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
投機筋のS&P500先物市場のポジションは買いポジション比率の減少が続いていますが、減少傾向に歯止めがかかるかを見守りたいところです。
【投機筋の先物市場のS&P500 E-miniのポジションの推移(最終更新日2022/03/15)】
本ホームページに掲載されている事項は、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであり、投資の勧誘を目的としたものではありません。投資方針、投資タイミング等は、ご自身の責任において判断してください。本サービスの情報に基づいて行った取引のいかなる損失についても、当社は一切の責を負いかねますのでご了承ください。また、当社は、当該情報の正確性および完全性を保証または約束するものでなく、今後、予告なしに内容を変更または廃止する場合があります。なお、当該情報の欠落・誤謬等につきましてもその責を負いかねますのでご了承ください。