株式市場の下落基調続くか? 米国FOMC、米国GDP速報値等に注目 OANDAラボ-マーケット最新情報(2022年1月24日)
今週の注目材料
今週は米国でFOMCが予定されています。今回のFOMCに関しては、市場では政策金利は据え置き、次回会合における地ならしが行われるとの見方が中心となっています。
市場の混乱を避けるため、サプライズで利上げの前倒しとなる可能性はほとんどないと考えられますが、絶対にないとは言い切れないため、発表前後は警戒したいです。
【金利先物市場が想定する2022/1/26FOMC後の金利予測】
出所:CME Group FedWatchTool
また、現在、市場が想定している次回(3月)の会合における利上げ幅は25BPですが、今回の会合の声明、パウエル議長の会見等からそれ以上の利上げ幅となる可能性を見出すことができる内容となると、株式市場の上値圧迫材料となり、市場全体が動揺し、神経質な動きとなる可能性が考えられそうです。
【金利先物市場が想定する2022/3/16FOMC後の金利予測】
出所:CME Group FedWatchTool
その他、経済指標は米国で2021年10−12月期GDP速報値や耐久財受注、個人消費支出等の重要経済指標の発表が予定されているほか、欧州では各国のPMI速報値、オーストラリアでは消費者物価指数等の発表が予定されており、注目が集まりそうです。
先週のFX市場の動き
先週のFX市場は、株式市場が軟調な推移となったこともあり、円やスイスフラン、米ドルが強いリスク回避型の動きとなりました。
一方で弱い推移となったのは、NZドル、ポンド、ユーロ、豪ドルでした。
【直近1ヶ月の主要8通貨の通貨の強弱チャート】
【先週の主要8通貨の通貨別の騰落率】
【FXの主要28通貨ペアの騰落率ランキング】
主要銘柄の相関性分析
先週の主要なドルストレートの通貨ペア同士の相関性は比較的低く、米ドル中心の相場ではなかったのが確認できます。
【先週の主要ドルストレート通貨ペアの相関性】
先週のドル円、クロス円の銘柄の相関性は円が対主要通貨で全面安となったこともあり、高い相関性となりました。ただし、南アフリカランドは底堅い推移となったため、逆相関の関係となりました。
【先週のドル円、クロス円の相関性】
先週の主要通貨ペアと米国株価指数(ここでは代表的なUS500との相関性を表示しています)の相関性を見ると、株式市場とドル円、クロス円の相関性が高い動きとなりました。これに対し、普段は比較的相関性の高いAUDUSDとUS500の相関が低い数値となりました。
【先週の主要銘柄と米国株価指数の相関性】
先週の株価指数CFDの動き
米国市場
先週の米国の株価指数CFDは、前週に続き、下落基調が続いています。特にUS100、US2000の弱さが目立っています。
欧州市場
欧州の株価指数CFDも横ばい推移から下落基調に転じています。
アジア・オセアニア市場
先週のアジア・オセアニアの株価指数CFDは全体的には軟調ですが、中国、香港の株価指数は底堅い動きとなりました。
【株価指数CFDの騰落率ランキング】
米国債利回りの推移
【残存期限別の米国債利回りの推移】
米国債利回りは、全体的に上昇基調ではあるものの、長期債を中心に伸び悩む状態が続いています。
出所:U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY
【直近5週間の金曜日の米国債イールドカーブの比較】
直近5週の金曜日のイールドカーブを比較すると、全体的に高い水準ですが、長期債が伸び悩んでいるのが確認できます。
【米国債イールドカーブの変化(3Dグラフ)】
出所:U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY
OANDA、先物市場のポジション、主要銘柄の値動き
FX
米ドル/円(USD/JPY)
先週のドル円は、序盤は反発地合いが続きましたが、後半は上値の重い推移となりました。
OANDAのオープンポジションを見ると、売買の偏りは少ない中、下押しにより含み損を抱えた買いポジションが増えています。
このため、反発する場面では安堵の利益確定売り、安値を切り下げる動きとなると、損切りの売りが増え、上値の重い動きが続く可能性を見出すことができそうです。
4時間足チャートを見ると、高値、安値を切り下げる下落基調が続いているため、反発の際は高値を結んだラインや直近の高値水準を守れるか、下押しの際は直近のサポート水準を守れるか等に注目しながら、下落基調継続の可能性を探っていきたいです。
【USD/JPYの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
先週火曜日時点における投機筋の円の通貨先物市場のポジションは、円買い、円売り共に減少する中、ネットすると、円売りポジション比率が少し減少となりました。依然として円売りに大きく傾いているところを見ると、これらのポジションの決済によるドル円の下押し余地は残されているのかもしれません。
【投機筋の通貨先物市場の円のポジションの推移(最終更新日2022/01/18)】
ユーロ/米ドル(EUR/USD)
先週のユーロドルは、上値の重い推移が続き、1.13付近まで下押しとなりました。
OANDAのオープンポジションを見ると、買いポジションに傾く中、直近の下押しで含み損を抱える買いポジションが増えています。
このため、反発した水準では利益確定の売り、安値を切り下げる動きとなると、損切りの売りが増え、上値の重い推移となる可能性にも少し注意が必要となりそうです。
4時間足チャートを見ると、高値、安値を切り下げるような動きとなっていますが、直近では昨年11月25日の安値から引いたトレンドライン付近で下げ止まる動きとなっています。
まずは、このラインを守れるか、直近の高値、安値を切り上げることができるか等に注目しながら、方向感を探っていきたいところです。
【EUR/USDの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
投機筋のユーロの通貨先物市場のポジションは引き続き偏りの少ない状態が続いていますが、先週は前週に続き、買いポジション比率が上昇しました。このまま買いポジション比率の増加傾向が続くかを見守りたいところです。
【投機筋の通貨先物市場のユーロのポジションの推移(最終更新日2022/01/18)】
ポンド/米ドル(GBP/USD)
先週のポンドドルは上値の重い推移となり、1.35台まで下押しとなりました。
OANDAのオープンポジションを見ると、売りポジションに少し傾く中、上値の重い推移となったため、含み損を抱えた買いポジションが増えてます。
このため、反発の際は安堵の利益確定売り、安値を切り下げる動きとなると、損切りの売りが増え、上値の重い推移となる可能性を見出すことができそうです。
一方で含み益のある売りポジションの数も増えており、下押した水準では利益確定の買い戻しが増える可能性にも少し注意が必要となりそうです。
4時間足チャートを見ると、安値を結んだラインを割り込んだ後、高値、安値を切り下げる動きに転じています。
このため、反発の際は、高値を結んだラインや直近の高値水準を突破できるか、下押しの際は直近の安値水準を守れるか等に注目しながら、下落基調継続の可能性を探っていきたいところです。
【GBP/USDの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
先週の投機筋のポンドの通貨先物市場のポジションは売りポジションの減少傾向が続いています。ただし、依然として売りポジションに傾く状況が続いているところを見ると、まだ決済の買い戻しを絡めた上昇余地は残されているかもしれません。
【投機筋の通貨先物市場のポンドのポジションの推移(最終更新日2022/01/18)】
豪ドル/米ドル(AUD/USD)
先週の豪ドルは中盤にかけては底堅い推移となりましたが、週末にかけては上昇分のほとんどを吐き出す方向感の鈍い動きとなりました。
OANDAのオープンポジションを見ると、買いポジションに傾く中、上値の重い動きとなったため、含み損を抱えた買いポジションが増えています。
このため、反発した水準では利益確定売り、安値を切り下げる動きとなった場合は、損切りの売りが増え、上値の重い推移が続く可能性を見出すことができそうです。
4時間足チャートを見ると、方向感を見出しにくい動きが続いていますが、直近では高値を切り上げに失敗するような動きとなった後、安値を結んだラインを下抜ける動きとなっています。
続いて、直近のサポート水準を守れるか、反発に転じた場合は、高値を結んだラインや直近の高値水準を突破できるか等に注目しながら、方向感を探っていきたいです。
【AUD/USDの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
先週の投機筋の豪ドルの通貨先物市場のポジションは売りポジション比率は少し減少しましたが、依然として偏りは大きい状況です。過去の水準を見ても偏りが大きくなっているところを見ると、売りポジションの決済の買い戻しにも少し注意が必要な状況が続きそうです。
【投機筋の通貨先物市場の豪ドルのポジションの推移(最終更新日2022/01/18)】
CFD
米国S&P株価指数500(US500)
先週のUS500は下落基調が続き、4400を割り込む水準まで下落となりました。
OANDAのオープンポジションを見ると、買いポジション比率が7割近くまで傾く中、上値の重い推移が続いているため、そのほとんどが含み損を抱えている状況です。
このため、反発した水準では利益確定の売り、安値を切り下げる動きとなると、損切りの売りが増え、上値の重い推移が続く可能性に注意が必要となりそうです。
4時間足チャートを見ると、下落基調に転じており、反発の際は高値を結んだラインや直近の高値水準を突破できるか、下押しの際は直近の安値水準を守れるか等に注目しながら、下落基調継続の可能性を探っていきたいです。
【US500の4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
投機筋のS&P500先物市場のポジションは買いポジションの減少傾向が続いていましたが、先週は増加に転じています。今週も増加傾向が続くかを見守りたいです。
【投機筋の先物市場のS&P500 consolidatedのポジションの推移(最終更新日2022/01/18)】
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