ダウ理論を活用したブレイクアウトのトレードアイデアから利益確定までを解説
チャートパターンを利用したアイデア
「ダウ理論を活用してブレイクアウトやリターンムーブを狙うトレードアイデア」で解説した通り、ダウ理論によるトレンドが確認できる場合にはブレイクアウト戦略が非常に有効で、直近高値・安値の水準の突破を狙うのが王道です。しかし、直近高値水準での売買の攻防は、すぐに決着がつかない場合もあり、もみ合いになりやすい傾向もあります。
これがいわゆる中段保ち合いで、このときチャートパターンのレクタングルやアセンディングトライアングルが出現するようなら、何度かの攻防を経てブレイクに成功することもあります。
ダウ理論を解説する概念図では、明確に高値と安値を切り上げる動きが典型例としてあげられますが、実際には方向感があやふやな中段保ち合いが発生します。そのようなときに発生しやすいチャートパターンを覚えておけば、ブレイクアウトを的確に狙えるようになるでしょう。
参考記事:ダウ理論を活用してブレイクアウトやリターンムーブを狙うトレードアイデア
レクタングル
レクタングルは、同水準の高値と安値を行き来してもみ合うチャートパターンで、高値を結んだ上値抵抗線と安値を結んだ下値支持線が平行になるのが特徴です。上昇トレンドの調整として形成された場合は、近いうちに価格が上値抵抗線を上抜ける可能性が高まります。
レクタングル出現時にブレイクアウトを狙う場合のエントリータイミングは、上値抵抗線をブレイクアウトしたときです。
アセンディングトライアングル
アセンディングトライアングルは、水平な上値抵抗線と右肩上がりの下値支持線によるチャートパターンです。買い方と売り方の攻防において、買い方が徐々に優勢になる過程で見られる形で、主に上昇トレンドの小休止で出現します。安値が切り上がっていき、最終的には上値抵抗線をブレイクアウトする動きとなることが多いです。
レクタングルと同様に、価格が上値抵抗線を上抜いたタイミングでエントリーします。
ブレイクアウト後の利益確定のアイデア
ブレイクアウト後の利益確定目標は、一目均衡表などのテクニカルで用いられるN波動の考え方を取り入れると明確になります。N波動とは、上昇2波と下降1波によって構成されるパターンのことです。
例えば、上昇のN波動の場合には、価格が上昇していったん押し目を作ってからまた上昇する「上げ」「下げ」「上げ」の3波動と考えます。アルファベットの「N」の形を形成することからN波動と呼ばれます。高値や安値の切り上げに注目するダウ理論と、非常に相性の良い考え方です。
このN波動による値幅観測では、最初の上昇波動と、調整を挟んだ後の上昇波動の値幅は同程度になると考えます。つまり、最初の上昇波動の値幅を、ブレイク水準から上にとったポイント、もしくは押し目から上にとったポイントを利益確定の目標とするのが一般的です。
ブレイクアウト後の利益確定目標の決め方
- (A)前の上昇波動の値幅をブレイク水準から上にとる
- (B)前の上昇波動の値幅を押し目から上にとる
ブレイクアウト後に逆行した場合の考え方
直近高値や安値のラインをブレイクアウトしても、価格は突破した方向に突き進むとは限りません。例えば、上方向にブレイクアウトしたにもかかわらず、価格が逆行してブレイク水準を下回ってしまうこともあります。そのような場合には、直近安値を切り下げるかどうか(ダウ理論によるトレンド転換のサインが発生するか)に注目しましょう。
基本的に、直近安値を切り下げなければ、まだ上昇トレンドが継続する可能性が考えられ、再び同水準でのブレイクアウトを狙うことができます。その反対に直近安値を切り下げた場合は、相場の転機を表す三尊天井やダブルトップというチャートパターンになる可能性があります。
ダウ理論によってトレンドを判断するためには、次の高値や安値が切り上がるかどうかに注目します。それがトレンドの継続か転換かを見極めるために重要なのです。
本記事の監修者・平野朋之
ネット証券で、FX業務全般、自己売買部門のディーラー、投資情報室の情報発信、セミナー講師などの業務に携わる。現在は独立して株式会社トレードタイムを設立。マーケット情報の発信や投資教育を行うかたわら、オリジナル手法での自己売買も精力的に行う。
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