ダウ理論とフラッグやペナントを組み合わせた順張りトレードアイデア

ダウ理論とチャートパターンの関係

チャート分析を行う上で、必ず押さえておきたいのがダウ理論です。ダウ理論とはトレンドを定義したマーケット理論で、上昇/下降トレンドを次のように考えます。

上昇トレンド	連続する高値および安値が、それより前の高値・安値より上に位置する（切り上げる）
下降トレンド	連続する高値および安値が、それより前の高値・安値より下に位置する（切り下げる）

このダウ理論の考え方を取り入れることで、トレンド継続の見極めが可能となり、トレンドフォローの王道的手法である押し目買いの精度を高められます。その押し目買いを有利に行うのに重宝するのが、トレンド継続のチャートパターンです。ダウ理論によりトレンドが確認できる限りは、このチャートパターンを利用した順張り戦略が機能し続ける期待が持てます。そこでこの記事では、ダウ理論とチャートパターンを組み合わせた、順張りのトレードアイデアを紹介します。

フラッグを用いた順張りのアイデア

フラッグとは、その名の通り旗のような平行四辺形を形成するチャートパターンです。トレンドの調整局面で出現する可能性があり、高値と高値を結んだライン（上値抵抗線）および安値と安値を結んだライン（下値抵抗線）を引くことでその形をチャート上で視認できます。フラッグの出現はそれまで続いていたトレンドの調整を表し、やがてトレンドへ回帰する可能性を示唆します。

フラッグの出現

例えば、上昇トレンド中に現れるフラッグは、一時的に高値と安値を共に切り下げながら下向きにもみ合い、平行四辺形のような形状を作ります。最終的にフラッグの上値抵抗線を上抜くと、上昇トレンドに回帰する可能性が高いです。

エントリーに関しては、一般的に二つのポイントが考えられます。フラッグの上値抵抗線をブレイクしたポイント、あるいはフラッグ形成前の高値を更新したポイントです。

エントリーのアイデア

（A）ダウ理論の上昇トレンドの条件を満たしている中でフラッグを形成後、フラッグの上値抵抗線をブレイクしたところで買いエントリーします。
（B）ダウ理論の上昇トレンドの条件を満たしている中でフラッグを形成後、上値抵抗線をブレイクし、さらにフラッグ形成前の高値を更新したところで買いエントリーします。

上昇トレンド中にフラッグが現れた際のエントリーのアイデア

なお、フラッグを形成しながらも直近安値を下回ってしまうと、ダウ理論によるトレンド転換の可能性があるので注意しましょう。

ペナントを用いた順張りのアイデア

ペナントもトレンド継続を示唆するチャートパターンで、これを押し目買いに利用することが可能です。ペナントは高値の切り下げ、安値の切り上げをしながら上値抵抗線と下値支持線の幅が徐々に狭まっていき、三角旗のような形状に収束することから、その名称で呼ばれます。日本語では三角保ち合いと呼ばれることもあります。

ペナントの出現

ペナントの考え方は、フラッグと同じです。トレンドの一時的な調整局面で出現することが多く、パターン形成後は元のトレンドに回帰する傾向があります。例えば、上昇トレンドの最中に出現した場合、最終的にペナントの上値抵抗線を上抜くと、上昇の勢いが強まるとされています。

エントリーについても、フラッグと同様の考え方です。一般的に、上値抵抗線をブレイクしたポイント、あるいはペナント形成前の高値を更新したポイントでのエントリーが考えられます。

エントリーのアイデア

（A）ダウ理論の上昇トレンドの条件を満たしている中でペナントを形成後、ペナントの上値抵抗線をブレイクしたところで買いエントリーします。
（B）ダウ理論の上昇トレンドの条件を満たしている中でペナントを形成後、上値抵抗線をブレイクし、さらにペナント形成前の高値を更新したところで買いエントリーします。

ペナント出現時のエントリーのアイディア

本記事の監修者・平野朋之

ネット証券で、FX業務全般、自己売買部門のディーラー、投資情報室の情報発信、セミナー講師などの業務に携わる。現在は独立して株式会社トレードタイムを設立。マーケット情報の発信や投資教育を行うかたわら、オリジナル手法での自己売買も精力的に行う。

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