テクニカル分析解説

グランビルの法則の買いサイン3・売りサイン7を使った取引手法


移動平均線に接近してからトレンドに回帰


グランビルの法則には、4種類の買いサインと、4種類の売りサインがあり、それぞれ移動平均線(期間200)と価格の位置関係から売買シグナルを発します。概念図で説明されることが多いですが、ここでは実際のチャートを用いながら実例を見ていきましょう。今回は、価格が移動平均線に接近しつつも割り込むことなく(上回ることなく)、トレンドへ回帰するときに発生する買いサイン3および売りサイン7についてまとめます。

                 
買いサイン3移動平均線が上向きのときに、いったん価格は移動平均線の手前まで下落するも移動平均線を下抜けることなく再度価格が上昇する場合
売りサイン7移動平均線が下向きのときに、いったん価格が上昇するも移動平均線の手前で止まり再度下落した場合

まずは買いサイン3を実際のチャートで見ていきます。ここでは、サイン発生後の値動きの特徴まとめます。

ユーロ円の日足チャート

上画像はユーロ円の日足チャートです。買いサイン3が2か所で発生しています。Aのサインが発生した後は上昇トレンドに回帰し価格は続伸している一方で、Bのサイン後は上昇に転じたものの、すぐに反転して移動平均線を割り込みした。この例のように、買いサイン3が出たからといって、必ずしも順調に上昇するわけでもないので注意が必要です。

続いて売りサイン7と、それが発生した後の値動きを確認しましょう。

ユーロドルの日足チャート

画像2はユーロドルの日足チャートです。定期的に売りサイン7が発生しています。FとGの間で一度は移動平均線を上回りましたが、これは売りサイン6です。このように、リズムよくサインが発生しているときは、戻り売りが狙いやすい環境だといえます。

買いサイン3および売りサイン7は、買いサイン2や売りサイン6(移動平均線を一時的に割り込んで/上回ってからトレンドへ回帰)と似ていますが、こちらは価格が移動平均線と交差することなく、接近したところで押し目や戻りを作り、反発していく形です。

明確なトレンドを形成しているときに出現しやすく、一つの波動の中で何度も見つけることができるのが特徴です。他のサインよりも発生頻度は高いですが、その分ダマシとなってしまうケースも多いので注意が必要だといえます。


トレードアイデア


ここでは買いサイン3のトレードアイデアとして、簡単なルールを紹介します。エントリータイミングを見極めるために平均足を用いるのが特徴です。ルールとしては、平均足が移動平均線に接近し陽転(陽線から陰線に転換)したところでエントリーし、直近高値で利益確定とします。

                 
エントリー平均足が移動平均線に接近後、陽転したら買い
決済直近高値で利益確定、損切りは直近安値に逆指値注文を入れる

買いサイン3が発生したA・B

このルールを適用して、買いサイン3が発生したA・Bの2か所でトレードした場合、どちらも順調に上昇していき、直近高値で利益を確定することができました(Aは約240pips、Bは約320pips)。平均足の陽転を利用することで、押し目からの上昇を捉えられるのが、このアイデアのメリットです。

続いて紹介するのは、売りサイン7のトレードアイデアです。

                 
エントリー平均足が移動平均線に接近後、陰転したら売り
決済直近安値で利益確定、損切りは直近高値に逆指値注文を入れる

売りサイン7が発生したC・D

このルールを適用して、売りサイン7が発生したC・Dの2か所で上記のトレードをした場合、いずれも順調に下落していき、利益を上げることができました(Cは約200pips、Dは約150pips)。Dの後に、移動平均線まで接近したポイントも、サイン発生と見て良いでしょう。このように大きなトレンドを形成しているときは、戻り売りのトレードチャンスが何度も訪れる特徴があります。


本記事の監修者・平野朋之


ネット証券で、FX業務全般、自己売買部門のディーラー、投資情報室の情報発信、セミナー講師などの業務に携わる。現在は独立して株式会社トレードタイムを設立。マーケット情報の発信や投資教育を行うかたわら、オリジナル手法での自己売買も精力的に行う。

グランビルの法則を学びたい方へオススメコンテンツ

グランビルの法則の買いサイン1・売りサイン5を使った取引手法

OANDA証券ではグランビルの法則に関する基礎知識や専門家による監修記事など、豊富に提供しています。特に専門家の監修記事では、全8種類あるグランビルの法則の売買サインを一つ一つ詳しく解説しています。また日経平均株価(JP225CFD)NYダウ(US30CFD)米ドル円(USD/JPY)の値動きも分析しています。グランビルの法則を使い取引をしたいと考えているのであれば、ぜひご参考ください。


本ホームページに掲載されている事項は、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであり、投資の勧誘を目的としたものではありません。投資方針、投資タイミング等は、ご自身の責任において判断してください。本サービスの情報に基づいて行った取引のいかなる損失についても、当社は一切の責を負いかねますのでご了承ください。また、当社は、当該情報の正確性および完全性を保証または約束するものでなく、今後、予告なしに内容を変更または廃止する場合があります。なお、当該情報の欠落・誤謬等につきましてもその責を負いかねますのでご了承ください。

この記事をシェアする
移動平均線
デッドクロスとは|売買サイン・具体例・注意点などを解説
米ドル円(USD/JPY)の値動きをグランビルの法則で分析
NYダウ(US30CFD)の値動きをグランビルの法則で分析
日経平均株価(JP225CFD)の値動きをグランビルの法則で分析
グランビルの法則の買いサイン4・売りサイン8を使った取引手法
グランビルの法則の買いサイン3・売りサイン7を使った取引手法
グランビルの法則の買いサイン2・売りサイン6を使った取引手法
グランビルの法則の買いサイン1・売りサイン5を使った取引手法
ゴールデンクロスとは|意味・売買シグナル・注意点などを詳しく解説
移動平均線を用いるさまざまな分析方法はどんな場面の判断に使える?
多重移動平均線とは?言葉の意味やTRIXと組み合わせた手法も紹介
ハル移動平均線とは?言葉の意味や他の移動平均線との違いを紹介
マルチタイムフレーム(MTF)分析とは|意味や基本的なやり方などを詳しく解説
GMMA(複合型移動平均線)とは|基本的な見方・トレード手法などを解説
同じ期間の移動平均線(終値+始値)を組み合わせた手法
同じ期間の移動平均線(高値+安値)を組み合わせた手法
古くから用いられる移動平均線の組み合わせ!アレンの4-9-18日手法
ギャンのHiLoアクティベータとは?使い方や取引手法を紹介
先行移動平均線(DMA)とは?ディナポリやアリゲータ手法について紹介
複数本(3本、4本)の移動平均線の使い方や取引のやり方
指数平滑移動平均線の計算方法や他の移動平均線との違いを紹介
移動平均線を何本組み合わせるかで読み取れる情報の変化
2本の移動平均線の使い方や売買シグナル、相場分析方法を紹介
1本の移動平均線の見方や使い方、売買シグナルなどを詳しく解説
移動平均線(MA)の適用価格とは?パラメータ画面で選べる7種類を比較
移動平均線(MA)の代表的なパラメータとそれぞれの期間の違い
加重移動平均線(WMA)とは?計算方法や単純移動平均線(SMA)との違い
移動平均線とは|基本的な見方や活用方法・期間設定の目安などを解説
単純移動平均線(SMA)とは|チャートの見方や使い方について解説
移動平均線の期間設定値は何が最適?MT4やMT5への設定方法も紹介
グランビルの法則とは?8つの売買パターンや注意点などを紹介
異なる時間軸の移動平均線を表示可能なマルチタイム移動平均線インジケーター
MT4/ MT5が標準搭載する4種別の移動平均線を比較
移動平均線の基本的な見方・使い方、トレーディングアイデアを紹介

ホーム » テクニカル分析解説 » グランビルの法則の買いサイン3・売りサイン7を使った取引手法