グランビルの法則の買いサイン4・売りサイン8を使った取引手法
移動平均線から大きく乖離したところを狙う
グランビルの法則には、4種類の買いサインと、4種類の売りサインがあり、それぞれ移動平均線との位置関係から売買シグナルを発します。概念図で説明されることが多いですが、ここでは実際のチャートを用いながら実例を見ていきましょう。今回は、移動平均線から大きく乖離しているところで売買する買いサイン4および売りサイン8についてまとめます。
買いサイン4 | 価格が移動平均線の下に大きく乖離した場合 |
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売りサイン8 | 価格が移動平均線の上に大きく乖離した場合 |
まずは買いサイン4を実際のチャートで見ていきます。ここでは、サイン発生後の値動きの特徴まとめます。
上画像はユーロ円の日足チャートです。買いサイン4が2か所で発生しています。Aのサイン発生後は、上方を推移する移動平均線に回帰する動きを見せるも途中で反転下落。その後、再び上昇に転じて最終的には移動平均線まで戻りました。一方、Bのサイン発生後は一気に上昇し移動平均線に到達するばかりか、それを突破して続伸。ここを基点に、下降トレンドから強力な上昇トレンドに転換しました。この例から分かるように、トレンドの継続中と、終了間際では値動きが異なる特徴がありそうです。
続いて売りサイン8と、それが発生した後の値動きを確認しましょう。
上画像はユーロドルの日足チャートです。売りサイン8が2か所で発生しています。Cのサイン発生後は、何度か移動平均線まで戻る動きを見せましたが、下げ切ることなく上昇トレンドに回帰して再び大きく乖離しました。一方、Dのサイン発生後はすぐに下落基調となり、移動平均線まで戻りました。Cのサイン発生後のように、移動平均線まで戻ることなく、さらに乖離する値動きを見せる場合もあるので注意が必要です。
買いサイン4および売りサイン8は、価格が移動平均線から大きく乖離したあと、移動平均線に回帰する性質を利用した売買サインです。大局のトレンドに逆らう形でのトレードとなり、どこでエントリーするかが非常に難しいのが難点です。
またサイン発生後、すんなりと移動平均線まで戻ることは多くなく、元のトレンドへ回帰する傾向も強くあります。もし買いサイン4および売りサイン8で売買するなら、短期トレードを心がけたいところです。
トレードアイデア
ここでは買いサイン4のトレードアイデアを紹介します。移動平均線からの乖離というのは、何も指標がないと主観的な判断に頼らざるを得ないので、今回はOANDA_Multi_MA_Deviation(移動平均乖離率)を利用します。また、エントリーの判断用に、平均足も用います。注意したいのは、移動平均線からの乖離が大きいということは、トレンドの勢いが強く、続伸する可能性が大いにあるということです。トレードする際には損切りの逆指値注文をしっかりと入れて、短期トレードに徹するのが基本です。
エントリー | 移動平均乖離率が底打ち(大底から上昇に転換)し、平均足が陽転したら買い |
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決済 | 平均足の陰転で利益確定、損切りは直近安値に逆指値注文を入れる |
このルールを適用して、買いサイン4が発生したA・Bの2か所でトレードした場合、どちらも反転上昇し、利益を獲得することに成功しました(Aは約60pips、Bは約200pips)。より乖離の大きかったBの方が、強く反発上昇して値幅を稼げた例です。
続いて紹介するのは、売りサイン8のトレードアイデアです。
エントリー | 移動平均乖離率がピークアウト(頂点から下落に転換)し、平均足が陰転したら売り |
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決済 | 平均足の陽転で利益確定、損切りは直近高値に逆指値注文を入れる |
このルールを適用して、売りサイン8が発生したC・Dの2か所でトレードするとどうなるかを見てみましょう。Cではピークアウトしたものの下落の勢いは強くなく、約35pipsの獲得となりました。Dではエントリー後からすぐに陽転が発生し約20pipsの利益確定となりましたが、応用としてピークアウトが継続している場合には、次以降の陰転で再度売るというアレンジも考えられます。
なお、OANDA_Multi_MA_Deviation(移動平均乖離率)は、OANDAラボから入手できます(ダウンロードするためにはログインが必要です)。
本記事の監修者・平野朋之
ネット証券で、FX業務全般、自己売買部門のディーラー、投資情報室の情報発信、セミナー講師などの業務に携わる。現在は独立して株式会社トレードタイムを設立。マーケット情報の発信や投資教育を行うかたわら、オリジナル手法での自己売買も精力的に行う。
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