グランビルの法則の買いサイン2・売りサイン6を使った取引手法
いったん移動平均線を抜けてからトレンドに回帰
グランビルの法則には、4種類の買いサインと、4種類の売りサインがあり、それぞれ移動平均線(期間200)と価格の位置関係から売買シグナルを発します。概念図で説明されることが多いですが、ここでは実際のチャートを用いながら実例を見ていきましょう。
今回は、トレンドを示す移動平均線に対して、価格が逆行して一時的に割り込んだ(上回った)後に、再びトレンドへ戻っていく動きで発生する買いサイン2および売りサイン6についてまとめます。
買いサイン2 | 移動平均線が上向きのときに、いったん価格は下落し移動平均線を下回るも再度上昇し移動平均線を下から上に突き抜けた場合 |
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売りサイン6 | 移動平均線が下向きのときに、いったん価格が大きく下落し再度上昇し移動平均線を上抜けした場合 |
まずは買いサイン2を実際のチャートで見ていきます。ここでは、サイン発生後の値動きの特徴まとめます。
上画像はポンド円の日足チャートです。買いサイン2が4か所で発生しています。まずAのサイン発生後の動きを見ると、上昇したものの長くは続かず、上昇分と同じ値幅を下降して移動平均線まで戻る動きとなりました。BとDのサイン発生後に関しては、勢いよく上昇し、すぐに反転下落することなく大きな伸びが見られました。
その一方で、Cのサイン発生後は、ほとんど上昇せず移動平均線を割り込む動きで、いわゆるダマシとなりました。この例のように、上昇の値幅や期間についてはさまざまなパターンがあります。
続いて売りサイン6と、それが発生した後の値動きを確認しましょう。
上画像はポンドドルの日足チャートで、売りサイン6が3か所で発生しています。
EとFのサインが発生したあとは、下降するもすぐに移動平均線まで戻る動きを見せています。それとは異なる動きとなったのがGのサイン発生後で、一度下げた後に移動平均線まで完全に戻ることはなく、もみ合いを経て再び下落する動きとなりました。こちらの例でも、さまざまな下降の値幅や期間があることが分かります。
買いサイン2および売りサイン6は、トレンド中に押し目や戻りを作り、そこから元のトレンドに回帰することを示唆するサインです。サイン発生後には元のトレンド方向への値動きが期待できますが、その継続時間は短いときも長いときもあります。また、移動平均線まで戻る動きを見せたり、そのままダマシとなってしまったりするケースも少なくないので注意が必要です。
トレードアイデア
ここでは買いサイン2のトレードアイデアとして、簡単なルールを紹介します。ローソク足が移動平均線を上抜いたところでエントリーし、利益確定は直近高値とします。
エントリー | ローソク足が移動平均線を上抜いたら買い |
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決済 | 直近高値で利益確定、損切りは直近安値に逆指値注文を入れる |
このルールを適用して、買いサイン2が発生したA・B・Cの3か所でトレードするとどうなるかを見てみましょう。
Aでは直近高値まで続伸し、利益確定に成功しました(約800pips)。Bではすぐに逆行して直近安値を下回り、損切りになってしまいました。ただし、損切りとなっても次にチャンスが来る場合もあるので、それに備えておくことが必要です。実際にBの損切りの後にすぐにCで買いサイン2が発生し、今度は勢いよく上昇して利益を確定することに成功しました(約650pips)。
続いて紹介するのは、売りサイン6のトレードアイデアです。
エントリー | ローソク足が移動平均線を下抜いたら売り |
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決済 | 直近安値で利益確定、損切りは直近高値に逆指値注文を入れる |
このルールを適用して、売りサイン6が発生したD・Eの2か所でトレードした場合、どちらも直近安値まで難なく下落し、利益を獲得することに成功しました(Dは約170pips、Eは約220pips)。下降トレンドでの戻り売りがうまくいったトレード例です。
本記事の監修者・平野朋之
ネット証券で、FX業務全般、自己売買部門のディーラー、投資情報室の情報発信、セミナー講師などの業務に携わる。現在は独立して株式会社トレードタイムを設立。マーケット情報の発信や投資教育を行うかたわら、オリジナル手法での自己売買も精力的に行う。
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