引き続き米国株は堅調、FX市場は円安地合い OANDAラボ-マーケット最新情報(2021年11月1日)
米国株は堅調地合いを維持、FX市場では円、ユーロなどが弱い動き
先週は株式市場やエネルギー市場に短期的な調整が入る場面があったものの、依然として底堅く、FX市場では円、ユーロなどが弱いのに対し、豪ドルやNZドル、米ドルが強い動きとなりました。
【ドルインデックス、S&P500(CFD)、米国債利回り(10年、2年)、原油(CFD)、金(CFD)の推移】
【残存期限別の米国債利回りの推移】
米国債利回りは、短期債利回りの緩やかな上昇傾向が続いているものの、中長期の利回りは少し伸び悩んでいます。
出所:U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY
【直近5週間の金曜日の米国債イールドカーブの比較】
直近5週の金曜日の変化を見ても、短期債利回りは、比較的高い水準で推移しているのに対し、長期債利回りは少し低下となりました。
【米国債イールドカーブの変化(3Dグラフ)】
出所:U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY
米国のFOMC、雇用統計等の経済指標に注目
今週はFOMCや雇用統計等、米国発のイベントが多数予定されています。
市場では、米国の金融政策を決定するFOMCで、金融緩和の縮小(テーパリング)が決定されるとの予想が中心となっており、そのペースはどの程度か、また、その後の利上げの開始時期に関する手がかりが出てくるか等に注目が集まります。
このFOMCの声明文やFRB議長の会見内容等に加え、米国雇用統計やISM景況指数の重要経済指標の結果により、利上げの開始時期に関する思惑が錯綜し、マーケットが過敏に反応する可能性に注意が必要となりそうです。
【米国の非農業部門雇用者数の推移】
【米国の失業率の推移】
このほか、英国やオーストラリアでも金融政策を決定する会合が予定されており、ポンドや豪ドルを取引する際は、発表前後の動きには注意が必要となりそうです。
英国の金融政策委員会では、利上げ、緩和縮小に賛成する委員の数、オーストラリアのRBA理事会では、声明文の内容等から、将来の利上げの可能性を見出すことができるか等に注目したいです。
主要通貨の強弱
先週のFX市場は週末に大きく下落したユーロの弱さが目立つほか、円やポンドも弱い推移となったのに対し、豪ドル、NZドル、米ドルが比較的強い推移となりました。
【先週の主要8通貨の通貨別の騰落率】
直近30日間の主要通貨の通貨の強弱チャートでは、資源国通貨高、円安の傾向が続いています。
【直近30日間の主要8通貨の通貨の強弱チャート】
直近30日間の株価指数の変化率
米国市場
先週の米国の株価指数CFDは、US500やUS100等が底堅いものの、US2000は少し伸び悩む動きとなりました。
欧州市場
欧州の株価指数CFDは横ばい推移となる銘柄が多い中、EU50とFRA40が堅調な推移となりました。
アジア・オセアニア市場
先週のアジア・オセアニアの株価指数CFDの推移を見ると、JP225は横ばい推移となったものの、HK50やINDIA50等は上値の重い推移となりました。
主要銘柄の相関性分析
先週の主要なドルストレートの通貨ペアの相関性は、多少の相関関係は確認できるものの、普段に比べると、全体的に相関性は低下しています。
【先週の主要ドルストレート通貨ペアの相関性】
ドル円、クロス円の相関性を見ると、全体的に相関性を見出すことはできるものの、前週と比べると、低下しており、前週ほど、円の強弱がはっきりと出ませんでした。
【先週のドル円、クロス円の相関性】
先週の主要通貨ペアと米国株価指数(ここでは代表的なUS500との相関性を表示しています)の相関性を見ると、US500と豪ドルは多少の相関関係が見られたものの、円やユーロ、ポンドとは相関性が低い動きとなりました。
【先週の主要銘柄と米国株価指数の相関性】
OANDA、先物市場のポジション、主要銘柄の値動き
FX
米ドル/円(USD/JPY)
先週のドル円は、上値が重いものの、113円台前半では底堅く、方向感の鈍い推移となりました。
OANDAのオープンポジションを見ると、上昇基調が続いた後ということもあり、売りポジションに傾く中、直近では113円台前半から114円台前半で方向感の鈍い推移が続いているため、このレンジ内で構築されたポジションが売買双方で増えています。
このため、このレンジをしっかりと抜ける動きとなると、苦しくなった方のポジションの損切りが増え、短期的にでも方向感が出てくる可能性を見出すことができそうです。
4時間足チャートでは、高値を結んだラインや直近の高値水準を突破できるか、下押しの際は113円台を守れるか等に注目しながら、根気強く方向感を探っていきたいところです。
【USD/JPYの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
先週火曜日時点の投機筋の円の通貨先物市場のポジションは円買いポジションが少し減少したため、円売りポジションの比率が増加となりました。円安地合いが続いていますが、過去の推移を見ると、比較的大きな偏りとなっているため、これらのポジションの決済による反発にも少し警戒が必要かもしれません。
【投機筋の通貨先物市場の円のポジションの推移(最終更新日2021/10/26)】
ユーロ/米ドル(EUR/USD)
先週のユーロドルは鈍い推移が続いた後、ラガルドECB総裁の会見後に上昇、その後は週末にかけては、上昇分以上の下落となる忙しい動きとなりました。
OANDAのオープンポジションを見ると、買いポジションに傾く中、ジリジリと反発地合いが続いた後に、その反発分のほとんどを吐き出す動きとなったため、買いポジションのほとんどが含み損を抱えており、反発した水準では安堵の利益確定売り、安値を切り下げる動きとなると、損切りの売りが増え、上値の重い推移が続く可能性を見出すことができそうです。
4時間足チャートを見ると、直近のサポート水準となる1.153付近で下げ渋る動きとなっており、まずは、この水準を守れるか、反発の際は、ECB理事会後の高値を突破できるか等に注目しながら、方向感を探っていきたいです。
【EUR/USDの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
投機筋のユーロの通貨先物市場のポジションは前週に続き売りポジションが優勢ではありますが、その差が徐々に減少し、売買の偏りがほとんどない状況となっています。今後、売買のいずれに傾きが出てくるかに注目したいです。
【投機筋の通貨先物市場のユーロのポジションの推移(最終更新日2021/10/26)】
ポンド/米ドル(GBP/USD)
先週のポンドドルは方向感の鈍い推移が続いた後、週末にかけて下値を探る動きが強まりました。
OANDAのオープンポジションを見ると、売買のポジションの偏りは少ない中、直近の下押しにより、苦しくなった買いポジションが増えており、反発した水準では安堵の利益確定売り、安値を切り下げると、損切りの売りが増え、上値が重い推移が続く可能性を見出すことができそうです。
4時間足チャートを見ると、反発地合いが続いた後、高値を切り上げられずに安値を切り下げる動きとなっており、流れが変わる可能性に注意が必要な状況と考えられそうです。反発の際は、高値を結んだラインや直近の高値水準を突破できるか、下押しの際は安値を切り下げる動きとなるか等に注目しながら、方向感を探っていきたいです。
【GBP/USDの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
投機筋のポンドの通貨先物市場のポジションは、前週に続き、買いポジション比率が増加となりましたが、依然としてポジションの偏りは少なく、今後、売買のいずれに傾くかに注目したいです。
【投機筋の通貨先物市場のポンドのポジションの推移(最終更新日2021/10/26)】
豪ドル/米ドル(AUD/USD)
先週の豪ドルは底は堅いものの、0.755付近では上値が重く、方向感の鈍い動きが続きました。
OANDAのオープンポジションを見ると、上昇基調が続いており、含み損を抱えた売りポジションが多く、下押した水準では安堵の買い戻し、高値を切り上げると、これらのポジションの損切りの買いが増え、底堅い推移が続く可能性を見出すことができます。
ただし、直近の伸び悩みでストレスを抱えた買いポジションも少し増えており、安値を切り下げる動きとなると、これらのポジションの損切りの売りが増える可能性にも少し注意が必要となりそうです。
4時間足チャートを見ると、上昇基調が続いていますが、安値を結んだラインや直近の安値水準を守れるか、上値を探る場面では高値を切り上げることができるか等に注目しながら、上昇が続くかを見守りたいところです。
【AUD/USDの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
投機筋の豪ドルの通貨先物市場のポジションは、前週に続き、売りポジション比率が少し減少となりました。依然として売りポジションに大きく傾いているところを見ると、これらのポジションの決済による伸びしろは残されているのかもしれません。
【投機筋の通貨先物市場の豪ドルのポジションの推移(最終更新日2021/10/26)】
CFD
米国S&P株価指数500(US500)
先週のUS500は伸び悩む動きが続きましたが、週末にかけては高値を切り上げる動きとなりました。
OANDAのオープンポジションを見ると、売りポジションに少し傾く中、売りポジションのほとんどが含み損を抱えており、下押した水準では安堵の買い戻し、高値を切り上げる動きとなると、損切りの買いが増え、底堅い推移が続く可能性を見出すことができそうです。
4時間足チャートを見ると、上昇基調が続いていますが、下押しの際は、直近の安値水準や安値を結んだトレンドラインを守れるか、上値を探る動きとなった場合は、高値を切り上げることができるか等に注目しながら、上昇基調継続の可能性を探っていきたいところです。
【US500の4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
投機筋のS&P500先物市場のオープンポジションは、依然として偏りは大きくないですが、買いポジションが優勢な状況が続いています。
【投機筋の先物市場のS&P500 consolidatedのポジションの推移(最終更新日2021/10/26)】
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