FXが資産運用に選ばれる5つの理由|株・投資信託との違いやリスクについて解説
FXは、数ある資産運用の中でも人気の運用手段として認知されており、選ばれる理由は主に5つあります。
本記事では、それらの理由を説明しつつ、株式投資や投資信託と比べてどのように違うのかなどを解説します。
FXも含め、資産運用の方法を知りたい方は、当記事を参考にしてみてください。
目次
- 1.そもそもFXとは?
- 2.FXが資産運用に選ばれる5つの理由
- 3.FXで資産運用する際の注意点
- 4.FXで資産運用する際のポイント
- 5.FXの始め方
- 6.【まとめ】FXが資産運用に選ばれる5つの理由|株・投資信託との違いやリスクについて解説
そもそもFXとは?
FXとは、日本語で外国為替証拠金取引と呼びます。
外国為替証拠金取引は、外国為替と証拠金取引を合わせた言葉です。
- ・外国為替:2つの異なる通貨を交換(売買)すること
- ・証拠金取引:資金(証拠金)を担保として行う取引
つまり、FXは証拠金を担保に通貨を売買し、利益を狙う投資方法といえます。
例えば、1ドル150円で買いポジションを保有してから151円で決済すると、1円の利益です。
逆に、1ドル149円で決済すると1円の損失です。
このようにFXでは、主に為替差益を狙って取引を行います。
次に、その他の投資との違いについて解説します。
- ・株式投資との違い
- ・投資信託との違い
株式投資との違い
FXと株式投資の違いは「通貨に投資するか、企業に投資するか」という点です。
FXは通貨に投資し、株式は企業に投資します。
この点も含め、FXと株式投資の違いをまとめると以下の通りです。
比較項目 | FX | 株式投資 |
---|---|---|
①:投資対象 | 通貨 | 企業 |
②:取引時間 | 平日ほぼ24時間 | 東京証券取引所で取引する場合、平日9時〜15時 |
③:インカムゲイン | スワップポイント (通貨間の金利差) |
配当金、貸株金利 |
④:レバレッジ | 最大25倍 (個人の場合) |
現物取引は無し (信用取引では最大およそ3.3倍) |
②の取引時間について、FXでは原則平日の24時間、いつでも取引を行えます。
この理由は、平日であれば世界のどこかの外国為替市場が、下図のようにオープンしているためです。
土日は取引できませんが、平日であればほぼ24時間取引を行えます。
これに対して、株式投資では、東京証券取引所で取引する場合は日本時間の平日9時〜15時のみです。
「FXの取引時間」の記事で詳しく解説しています。
③のインカムゲイン(資産の保有によって得られる利益)については、FXでは通貨間の金利差によって獲得できる「スワップポイント」が該当します。
株式投資では企業が株主に分配する「配当金」のほか、保有株式を証券会社に貸して金利を得る「貸株料」があります。
④のレバレッジについては、FXでは最大25倍まで効かせられますが、株式投資で一般的な現物取引の場合、レバレッジは適用できません。
信用取引の場合は、個人であれば約3.3倍まで適用できます。
投資信託との違い
FXと投資信託の違いは「自分で運用するか、他人に運用を任せるか」です。
FXでは自分で運用し、投資信託ではファンドに運用を任せます。それ以外の違いも一覧でまとめると、以下の表の通りです。
比較項目 | FX | 投資信託 |
---|---|---|
①:運用主体 | 自分 | ファンド |
②:投資対象 | 外貨 | 株式・債券・不動産など |
③:運用手数料 | なし | あり |
④:レバレッジ | あり | 一部商品のみあり |
③の運用手数料については、FXでは自力でトレードを行うため発生しません。
一方、投資信託では信託報酬(運用管理費用)などの手数料が発生します。
④のレバレッジについては、一般的な投資信託では利用できません。
しかし「レバレッジ投資信託」と呼ばれる種類の投資信託であれば、2倍など一定のレバレッジを利用できます。
FXが資産運用に選ばれる5つの理由
FXが資産運用に選ばれる理由は、以下の5つです。
- ・①少額から始められる
- ・②通貨への投資ができる
- ・③金利差(スワップポイント)で利益を得られる
- ・④原則24時間取引できる
- ・⑤他の投資の為替ヘッジが期待できる
①少額から始められる
FXは少額から資産運用をスタートできます。
最小の取引数量はFX会社ごとに異なり、その単位は「1通貨・1,000通貨・10,000通貨」などです。
それぞれの単位は、1ドル150円の場合、以下の金額での取引となります。
1通貨(1ドル)の取引 | 1ドル×150=150円分の取引 |
---|---|
1,000通貨(1,000ドル)の取引 | 1,000ドル×150=150,000円分の取引 |
10,000通貨(10,000ドル)の取引 | 10,000ドル×150=1,500,000円分の取引 |
つまり、最小取引数量が1通貨であれば、150円から取引できます。
さらに、FXには「レバレッジ」の仕組みがあり、預け入れた証拠金の最大25倍の取引を行えます。
これは「取引したい金額の4%分の金額で取引可能」ということを意味します。
その金額を「1通貨・1,000通貨・10,000通貨」で、1ドル150円で計算すると、以下の通りです。
1通貨の場合 | 150円×4%=6円 |
---|---|
1,000通貨の場合 | 150,000円×4%=6,000円 |
10,000通貨の場合 | 1,500,000円×4%=60,000円 |
1通貨の場合、6円から取引をスタートできます。
②通貨への投資ができる
FXは、米ドルや円などの通貨を対象とした投資です。
通貨に投資する方法としては、FX以外に外貨預金もあります。
外貨預金は、銀行が提供する金融商品ですが、預金保険の対象外であるため注意が必要です。
また、スプレッドがFXに比べて広く、レバレッジを使えないのも特徴です。
その一方、FXは信託保全されており、FX会社の経営破綻に際しても顧客資金は守られます。
また、スプレッドが外貨預金より狭く、取引可能な通貨ペアの多さもメリットです。
③金利差(スワップポイント)で利益を得られる
FXでは、2通貨間の金利差によっても利益を得られます。
この金利差による利益は「スワップポイント」と呼ばれます。
スワップポイントは「低金利通貨を売り、高金利通貨を買う」というポジションを建てることによって得られます(例外もあります)。
代表的な高金利通貨としては、メキシコペソ・南アフリカランドなどが挙げられます。
なお、低金利通貨を買って高金利通貨を売る場合、スワップポイントの支払いが生じます。
このようなパターンを「マイナススワップ」と呼びます。
低金利通貨を買って高金利通貨を売るポジションを建てる時は、マイナススワップによる損失も計算しながらトレードを行う必要があります。
④原則24時間取引できる
FX以外の資産運用は、取引時間が限られていることが多いです。
株式投資の場合、東京証券取引所での立会時間(取引時間)は平日の9時〜11時30分と、12時30分〜15時です。
取引時間が限られている他の投資手段と比較して、FXは平日であれば原則24時間取引を行えるため、忙しい方でも取り組みやすいといえます。
⑤他の投資の為替ヘッジが期待できる
FX以外の投資も行っている場合、その投資で抱える「為替変動リスク」を回避できることも、FXのメリットです。
例えば米国株に投資している場合、売却益が出ても、円高になれば円建ての利益が減少してしまいます。
しかし、FXで円買いのポジションを建てていれば、円高によって利益を得られます。
このように、為替変動による損益が、他の投資と逆になる方法でFXのポジションを建てていれば、為替変動によるリスクを回避しやすくなります。
FXで資産運用する際の注意点
FXの主なリスクを3点紹介します。
なお、リスクはこの3点に限られません。
- ・為替変動リスク
- ・レバレッジのリスク
- ・流動性リスク
為替変動リスク
為替変動リスクは、保有ポジションがマイナスとなる方向に為替レートが動くことで、損失が生じるリスクです。
FXは為替変動によって利益を得る投資手法です。
為替変動自体は悪いことではありませんが、予想と逆の方向に動く場合に損失リスクが生じます。
対策:損切りを活用する
FX取引において、勝率100%のトレード手法や、必ず期待通りに機能するテクニカル分析などは存在しません。
プロのトレーダーであっても、一定の割合で損失を出すものです。
一定の損失が発生することを前提として、その損失を最小限に抑えることが重要です。
そのためには、損切り(ストップロス)を適切に行うことが必要となります。
損切りの目安やルールの決め方については「FX取引の損切りとは」のページで詳しく解説しています。
レバレッジのリスク
高いレバレッジでFXを行う場合、相場のわずかな変動でも大きな損失が発生する可能性があります。
このため、高レバレッジで取引を行う際には、特に損失リスクの大きさを把握しておくことが重要です。
対策:高レバレッジでの取引をしない
個人のFXの場合、最大で25倍までレバレッジを適用できますが、高レバレッジでの取引は避けることが推奨されます。
ただし「何倍までなら安全」という明確な基準はありません。
倍率が低いほどレバレッジのリスクも低くなることは確かであるため、最初は可能な限り低い倍率から経験を積むと安全度が高まります。
なお、低レバレッジで取引しても、適切な損切りを行わなければ、大きな損失を出すリスクがあります。
流動性リスク
流動性とは「売買の成立のしやすさ」を意味します。
流動性リスクとは「希望の価格での売買が成立せず、利益を逃したり損失が拡大したりする」リスクです。
市場の取引量が少ない場合、買い手や売り手も少なくなるため、売買が成立しにくくなります。
また、急激な価格変動が起きた場合も、注文が売り・買いのいずれか一方に偏るため、やはり売買が成立しにくいです。
売買が成立しにくくなると、スプレッドが広がりやすくなります。
このように流動性リスクは「取引量が少ない状況」や「急激な価格変動が起きた時」に高まります。
対策:流動性の高い通貨ペアで取引を行う
流動性リスクは、取引量が多い通貨ペアであれば低くなります。
取引量が多い通貨ペアとは、米ドル・日本円・ユーロなどのメジャー通貨で構成される通貨ペアです。
逆に、取引量が少ないトルコリラ・メキシコペソなどのマイナー通貨を含むペアを取引する場合、流動性リスクは高くなります。
FXで資産運用する際のポイント
FXで資産運用する際のポイントは、以下の通りです。
- ・損切りを活用する
- ・低レバレッジで取引する
- ・流動性の高い通貨ペアで取引を行う
損切りを活用する
FXで長期的に資産を増やしていくためには、適切な損切りが大切です。
損切りを適切に行うための基本の1つとして、「逆指値注文」を活用することが推奨されます。
逆指値注文とは「現在の価格よりも不利な指定価格が実現した時に約定する注文」です。
この注文を発注すると、指定の為替レートに達した際に自動的に損切りします。
「逆指値注文」の記事で詳しく解説しています。
低レバレッジで取引する
低レバレッジの取引であれば、大きな利益を狙いにくくなる反面、大きな損失も発生しにくくなります。
FXに慣れていないうちは、低レバレッジでの取引を意識しましょう。
レバレッジは「為替レート・取引数量・証拠金」の3つの数値によって、以下の式で算出されます。
この式から、低レバレッジで取引するために必要なのは「取引数量を抑える」ことと「証拠金を多くする」ことだと分かります。
レバレッジの計算方法については「FX取引のレバレッジとは」の記事を参考にしてください。
流動性の高い通貨ペアで取引を行う
流動性の高い通貨ペアで取引を行えば、流動性リスクを低く抑えられます。
世界で流動性が高い(取引量が多い)通貨ペアは、以下のグラフのようになっています。
上位に入っているEUR/USD(ユーロ/米ドル)やUSD/JPY(米ドル/円)などのメジャーな通貨ペアであれば、流動性リスクを抑えやすくなります。
まずは、このような通貨ペアからFXの経験を積むのが良いでしょう。
FXの始め方
FXを始めるには、まずFX会社で口座開設を行う必要があります。
口座開設に必要なものや流れなどの情報については、以下のページをご覧ください。
また、OANDA証券が提供する取引ツール「fxTrade」であれば、1通貨単位からの取引が可能です。
約6円(1ドル150円換算)からの少額の取引を行えるため、FXが初めての方でも利用しやすくなっています。
さらに、OANDA証券では初心者向けコンテンツを豊富に提供しており、FX初心者の方でも安心して取引をスタートできるようなサポートを行っています。
【まとめ】FXが資産運用に選ばれる5つの理由|株・投資信託との違いやリスクについて解説
FXが資産運用に選ばれる理由には、「少額からスタートできる」「原則24時間取引を行える」などがあります。
これらの理由に魅力を感じる方にとって、FXは資産運用の中でも有効な選択肢の1つといえるでしょう。
資産運用に関して多くのメリットがあるFXですが、リスクも存在するため、リスクとその対処法をよく理解しておく必要があります。
FXの基礎知識については、初心者向けのコンテンツで分かりやすくまとめています。
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OANDA Lab編集部
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