ダイバージェンスとは|意味・現象例や活用方法などを詳しく解説
ダイバージェンスとは、テクニカル指標(オシレーター系インジケーター)とローソク足の示す方向性が、逆行している状況を指します。
トレンド転換のサインとして考えられます。
本記事では、ダイバージェンスの意味や活用方法、用いる際の注意点について詳しく解説していきます。
目次
- 1.ダイバージェンスとは
- 2.ダイバージェンスの活用方法
- 3.ダイバージェンスに関する注意点
- 4.ダイバージェンスに関するQ&A
- 5.【まとめ】ダイバージェンスとは|意味・現象例や活用方法などを詳しく解説
ダイバージェンスとは
ここではダイバージェンスの意味や、発生例について解説します。
意味
ダイバージェンスとは「逆行現象」を意味し、オシレーター系のインジケーターと、ローソク足が逆方向に動いている状態を指します。
オシレーター系のインジケーターは、相場の過熱感を測るテクニカル指標で「買われ過ぎ・売られ過ぎ」を判断できます。
ローソク足が高値を切り上げているにもかかわらず、オシレーターが高値を切り下げていれば、その後に下落に転じる可能性を示唆します(弱気のダイバージェンス)。
同様に、ローソク足が安値を切り下げているにもかかわらず、オシレーターが安値を切り上げていれば、その後に上昇に転じる可能性を示唆します(強気のダイバージェンス)。
現象例
ダイバージェンスを実際のチャートで見ると、以下の通りです。
下のチャートでは、オシレーター系のインジケーターとしてRSI(相対力指数)を表示しています。
出典:TradingView
上図では、ローソク足が安値を切り下げ、RSIが安値を切り上げており、上昇トレンドに転換しています。
出典:TradingView
上図では、ローソク足が高値を切り上げ、RSIが高値を切り下げており、下落トレンドに転換しています。
ダイバージェンスの活用方法
ダイバージェンスの活用方法について、以下3つのテクニカル指標を用いて解説します。
MACD
MACD(マックディ)は、トレンドの方向を確認しつつ、相場の過熱感(買われ過ぎ・売られ過ぎ)も判断できる、汎用性の高いオシレーター系インジケーターの1つです。以下のチャートでは、ローソク足が安値を切り下げ、MACDは安値を切り上げており、トレンドの反転が起きています。
出典:TradingView
以下では、MACDを使ったダイバージェンスの具体例や、MACDについて詳しく解説しています。
「MACDとは|チャートの見方・活用方法・MT4での設定方法をわかりやすく解説」
RSI
RSIは日本語で「相対力指数」と言い、相場の買われ過ぎ・売られ過ぎを分析するオシレーター系のインジケーターです。下のチャートでは、ローソク足が高値を切り上げ、RSIは高値を切り下げており、下降トレンドに転換しています。
出典:TradingView
以下では、RSIを使ったダイバージェンスの具体例を含め、RSIについて詳しく解説しています。
「RSIとは|基本の見方・使い方・設定方法などを詳しく解説」
ストキャスティクス
ストキャスティクスは、オシレーター系のインジケーターで、日本語では「推計統計学」という意味です。過去の一定期間の最高値と最安値から終値の位置を分析し、相場の過熱感を判断します。
買われ過ぎや売られ過ぎの状態から、相場が反転するタイミングを見極めるために利用されます。
以下のチャートでは、ローソク足が安値を切り下げ、ストキャスティクスが安値を切り上げるダイバージェンスが発生しています。
出典:TradingView
以下では、ストキャスティクスについてや、ストキャスティクスを使ったダイバージェンスの具体例などを詳しく解説しています。
「ストキャスティクスとは|計算式や設定方法・見方・使い方などを詳しく紹介」
ダイバージェンスに関する注意点
ダイバージェンスに関する主な注意点は、以下の通りです。
トレンド転換が必ずしも起きるとは限らない
ダイバージェンスはトレンドの「弱まり」を知らせるサインです。
トレンドが弱まっても転換するとは限らず、トレンドがそのまま継続することもあります。
以下のチャートでは、ローソク足が安値を切り下げ、ストキャスティクスが安値を切り上げるダイバージェンスが発生しています。
出典:TradingView
しかし、上昇トレンドへの転換がなく、下落トレンドが継続しています。
このような「ダマシ」の現象は、テクニカル分析におけるあらゆる指標や手法で見られます。
ダイバージェンスだけで取引しない
ダイバージェンスの発生頻度は、それほど高くありません。
特に強いトレンド相場では、ダイバージェンスは発生しにくいです。
以下のチャートを見ると、右側の弱いトレンドではダイバージェンスが発生しているものの、左側の強いトレンドでは、ダイバージェンスが発生していません。
出典:TradingView
ダイバージェンスが発生しない相場は多くあるため、ダイバージェンスだけで取引を行わないことが重要です。
ダイバージェンスは大局のトレンド転換を示唆します。
それよりも小さい局面でのトレードは、その他のテクニカル指標などでの分析を主軸にすることが推奨されます。
あるいは、様々なチャートパターンに注目することで、多くの取引チャンスを見極めることもできます。
ダイバージェンスに関するQ&A
ダイバージェンスに関してよく見られる疑問点は、以下の通りです。
ダイバージェンスだけで勝てますか?
ダイバージェンスはあくまで相場の反転を示唆するサインであり、必ずトレンドが転換するわけではありません。
トレンドの強さによっては、ダイバージェンスが現れた後もトレンドが続く場合もあります。
分析精度を高めるためにも、他のテクニカル指標と組み合わせて活用することが推奨されます。
ダイバージェンスにおすすめのインジケーターは何ですか?
ダイバージェンスを確認するには、オシレーター系のインジケーターを使用します。
一般的に使用されるインジケーターとして「MACD」「RSI」「ストキャスティクス」などが挙げられます。
それぞれのテクニカル指標に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。
「MACDとは|チャートの見方・活用方法・MT4での設定方法をわかりやすく解説」
「RSIとは|基本の見方・使い方・設定方法などを詳しく解説」
「ストキャスティクスとは|計算式や設定方法・見方・使い方などを詳しく紹介」
ヒドゥンダイバージェンスとは何ですか?
ヒドゥンダイバージェンスは、トレンド転換の可能性を示すダイバージェンスとは逆に、トレンド継続の可能性を示す現象です。
ダイバージェンスは、上昇トレンドの時にローソク足およびオシレーターの高値同士(下降トレンドの場合は安値同士)を結んで逆行現象を確認しますが、ヒドゥンダイバージェンスでは上昇トレンドの時は安値同士(下降トレンドの時は高値同士)を結んで逆行現象を確認します。
ローソク足が安値を切り上げている一方で、オシレーターが安値を切り下げていれば上昇トレンドの継続を示唆します。
ローソク足が高値を切り下げている一方で、オシレーターが高値を切り上げていれば下降トレンドの継続を示唆します。
【まとめ】ダイバージェンスとは|意味・現象例や活用方法などを詳しく解説
ダイバージェンスとは、オシレーター系のインジケーターと相場の価格(ローソク足)が逆行している現象を指します。
ダイバージェンスは相場の弱気・強気を示しており、トレンドの転換点となる可能性が示唆されます。
ただし、ダイバージェンスが発生しても必ずトレンドが転換するわけではありません。
他の指標を用いたテクニカル分析を併せて行い、分析精度を高めることが推奨されます。
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