平均足とは|基本的な見方・FX取引における意味などを詳しく解説
平均足とは、ローソク足を改良したテクニカル指標です。
ローソク足の四本値から算出した「平均値」などで、ローソク足に似た実体とヒゲを描画します。
平均足は、ローソク足よりもトレンドを判断しやすくなっているのが特徴です。
本記事では、平均足の意味や、見方などを詳しく解説します。
平均足とは
ここでは平均足に関する以下の内容を解説します。
- ・平均足(実体とヒゲ)の見方
- ・ローソク足との違い
- ・一般的な計算方法
平均足(実体とヒゲ)の見方
平均足の見方は、基本的にローソク足と同じです。
陽線(ようせん)は始値から終値にかけて上昇したことを、陰線(いんせん)は始値から終値にかけて下落したことを意味します。
平均足はローソク足と同様に、実体とヒゲの2つの要素で構成されます。
ヒゲの先が高値、安値を意味するのは、ローソク足と同様です。
一方、実体の上辺と下辺は、ローソク足とは別の意味を持ちます(次項で解説)。
ローソク足との違い
平均足とローソク足の違いは、実体の上辺・下辺が示す数値です。
ローソク足 |
・始値 ・終値 |
平均足 |
・平均足始値(前日平均足の実体の中値) ・平均足終値(四本値の平均値) |
どちらが上辺・下辺になるかは、陽線・陰線で異なります。
この違いによって、平均足はローソク足よりも、トレンド発生時に同じ色の足(陽線・陰線)が連続しやすいのが特徴です。
例えば、以下のチャートを比較すると、平均足の方が陽線・陰線が連続しています。
出典:TradingView
一般的な計算方法
平均足の計算方法は、以下の通りです(日足で解説)。
- ・平均足始値=前日平均足の実体の中値([前日平均足始値+前日平均足終値]÷2)
- ・平均足終値=四本値の平均値([当日始値+当日高値+当日安値+当日終値]÷4)
平均足の始値は、「1つ前の平均足の実体の中心」から始まります。
以下のチャートを見ても、常に「前の足の実体の中心」から始まっていることがわかります。
出典:TradingView
一方、平均足の終値は「(形成中の平均足の)四本値の平均値」です。
上昇や下落の勢いが強い場合は、長い実体が形成されることとなります。
平均足の使い方
平均足の使い方のポイントは、以下の通りです。
- ・陽線は買い
- ・陰線は売り
- ・実体の長短でトレンド転換を判断する
陽線は買い
一般的に、平均足が陽線に転じた場合や、陽線が連続している場合は、「買い」と判断されます。
上昇トレンド発生時には平均足の陽線が連続することが多く、しばらく上昇が続く可能性が高いと考えられます。
ただし「ダマシ」があり、陽線に転じた直後に陰線に戻るケースもあります。
例えば、以下のチャートでは、陽線に転じた直後に大きく下落しています。
出典:TradingView
特にレンジ相場(もみ合い)では、このようなダマシが発生しやすくなります。
陰線は売り
一般的に、平均足が陰線に転じた場合や、陰線が連続している場合は、「売り」と判断されます。
この理由は陽線のパターンと同様です。
陰線の場合もダマシがあり、以下のチャートのように大きな陰線が発生した後、すぐ大きく上昇するケースも見られます。
出典:TradingView
陰線のダマシも、主にレンジ相場で発生するため注意が必要です。
実体の長短でトレンド転換を判断する
実体の長短から、以下のようにトレンド転換を判断することもできます。
- ・1本前の実体より短い実体:トレンド転換の兆し
- ・非常に短い実体:トレンドの転換が近い
つまり、実体が短くなるほどトレンド転換の可能性が高まります。
以下のチャートを見ると、実体の短い足が出現した時は、トレンドが転換していることがわかります。
出典:TradingView
特に以下の十字線のような実体になると、転換の可能性が高くなります。
出典:TradingView
実体が短い足は「1つ前の足の平均(始値)と、現在の足の平均(終値)の差が小さい」ことを表し、売り方・買い方の勢いが拮抗していることや、双方が迷っていることを意味します。
平均足の見方を一覧にすると、下表の通りです。
平均足の状態 | 一般的な判断 |
---|---|
陽線 | 買い |
陰線 | 売り |
陽線+長い上ヒゲ | 強い買い |
陰線+長い下ヒゲ | 強い売り |
陽線+下ヒゲ | 買いに陰り |
陰線+上ヒゲ | 売りに陰り |
前日の実体より短い実体 | トレンド転換の兆し |
非常に短い実体 | トレンド転換が近い |
平均足に関するQ&A
ここでは、平均足の使い方に関してよく見られる、以下の疑問点に回答します。
- ・平均足のデメリットは何ですか?
- ・平均足におすすめのテクニカル指標は何ですか?
平均足のデメリットは何ですか?
平均足のデメリットは、トレンドが発生していない場面(レンジ相場やもみ合い相場)で活用しにくいことです。
例えば、以下のチャートのような相場では、陽線と陰線が頻繁に入れ替わるため、売買の判断が難しくなります。
出典:TradingView
平均足におすすめのテクニカル指標は何ですか?
平均足との組み合わせに適したテクニカル指標の例としては、ボリンジャーバンドやRSI(相対力指数)が挙げられます。
ボリンジャーバンドによってトレンドの方向性や勢いを見極めやすくなり、RSIによってトレンドの転換を判断しやすくなります。
以下のチャートは、平均足にボリンジャーバンドを重ね、下段でRSIを表示したものです。
出典:TradingView
この2つの指標を組み合わせた分析手法については、以下の記事で詳しく解説しています。
> 平均足とボリンジャーバンドを用いて日足で順張りする方法を解説
【まとめ】平均足とは|基本的な見方・FX取引における意味などを詳しく解説
平均足とは、ローソク足を改良したテクニカル指標です。
ローソク足の四本値から算出した「平均値」などで、ローソク足に似た実体とヒゲを描画します。
平均足はローソク足よりも、トレンド発生時に同じ色の足(陽線・陰線)が連続しやすいのが大きな特徴です。
しかし、トレンドが発生していない相場状況では機能しにくいため、注意が必要です。
単体で使用するよりも、ボリンジャーバンドやRSIなどのテクニカル指標と併用することで、より精度の高い分析を行えるようになります。
このようなテクニカル分析の手法については、後ほど紹介するコンテンツで詳しく解説しているので、興味をお持ちの方はぜひご参照ください。
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