テクニカル分析解説

フィボナッチを利用したテクニカルツール


1.そもそもフィボナッチとは?


チャート分析では、フィボナッチ数列やフィボナッチ比率が利用されることが多くあります。フィボナッチ数列とは、イタリアの数学者であるレオナルド・フィボナッチにより発見されたもので、1から始めて前の数字を加算していく数列のことです。

 
【フィボナッチ数列】
1、1、2、3、5、8、13、21、34、55、89、144、233…

この数列の比率に注目すると、次のような一定の法則(限りなく下表の数値に近づく)が見いだせます。

                                                   
【フィボナッチ比率】
任意の数字を、次の数字で割る0.618
任意の数字を、前の数字で割る1.618
任意の数字を、一つ飛ばしの次の数字で割る0.382
任意の数字を、一つ飛ばしの前の数字で割る2.618

このように、割り方のパターンを変えるだけで、さまざまな比率が得られます。このうち1.618はいわゆる黄金比の基となる値で、「1対1.618」は世の中で最も美しいバランスの比率だとされています。絵画や建築物、身近なところでは名刺などに採用されていると聞いたことがある人も多いでしょう。

このフィボナッチ比率は、チャート分析で活用できないかと研究されました。そして、フィボナッチ・リトレースメントをはじめとする、さまざまなテクニカルツールが考案されたのです。


2.フィボナッチ系ツールの概要


MT4(Meta Trader4)/MT5(Meta Trader5)には、フィボナッチを用いた5~6種類のツールが標準搭載されています。全てメインチャートにオブジェクトを描画するツールです。基本的に、任意の波動に対して、その起点と終点を選ぶことで、フィボナッチ比率に応じたラインが描画されます。そのラインが値動きの押しや戻り、あるいは目標となると考えられます。

画像1/フィボナッチ系ツール(MT5)

任意の波動が押し/戻ししたポイントに、同波動のフィボナッチ比率の値幅を加えて表示する。第1波動、第2波動に続く第3波動がどこまで進むかを予想するのに役立つ。                                                                                
【フィボナッチ係数を用いたツールの概要】
フィボナッチ・リトレースメント任意の波動の値幅に対して、フィボナッチ比率の水準を示す。どれくらい押し/戻しするかを予想するのに役立つ。
フィボナッチ・タイムゾーン時間軸に対してフィボナッチ数列に応じた垂直線を描画する。波動の形成やなどにかかる時間を予想するのに役立つ。
フィボナッチ・ファン任意の波動に対して、フィボナッチ比率に応じた斜めのラインをファン(扇)のように描画する。押しや戻りについて、価格と時間の両軸から予想するのに役立つ。
フィボナッチ・アーク任意の波動に対して、フィボナッチ比率をプロットし、アーク(弧)で描画する。押しや戻りについて、価格と時間の両軸から予想するのに役立つ。
フィボナッチ・チャンネル任意の波動およびそのチャネルラインを描画し、さらにチャネルの値幅に応じたフィボナッチ比率のラインを表示する。値動きの目標を予測するのに役立つ。
フィボナッチ・エクスパンション任意の波動が押し/戻ししたポイントに、同波動のフィボナッチ比率の値幅を加えて表示する。第1波動、第2波動に続く第3波動がどこまで進むかを予想するのに役立つ。

監修:山中康司氏

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長く為替トレーディングの第一線で活躍されてきた山中康司(やまなかやすじ)氏監修のもと、フィボナッチの基本的な知識や使い方、トレーディングアイデアなどをご紹介します。またOANDAではフィボナッチに関するオリジナルインジケーターを多数提供しています。インジケーターはOANDAの口座をお持ちのお客様だけがお使いいただけます。


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