ウィリアムズ%Rとは?言葉の意味や計算方法、見方、使い方などを紹介
1.ラリー・ウィリアムズが開発
ウィリアムズ%Rは、世界的トレードコンテストで優勝するという、輝かしい実績を持つ著名投資家ラリー・ウィリアムズが開発したテクニカル指標です。オシレーター系の指標で、概要としては「一定期間の最高値と最安値の範囲を基準に、直近の終値が相対的にどの水準にあるか」を示します。
オシレーター系指標に明るい人はお気づきかもしれませんが、これは基本的にストキャスティクスの%Kに近いものです。その違いは計算式の分子にあり、当日終値との差を求めるのが最安値か(%K)、最高値か(%R)という部分が異なります。参考までに、両者の計算式を記載します。
【ウィリアムズ%Rの計算式】
- ウィリアムズ%R=(当日終値-過去n日間の最高値)÷(過去n日間の最高値-過去n日間の最安値)×100
【ストキャスティクスの%Kの計算式】
- %K=(当日終値-過去n日間の最安値)÷(過去n日間の最高値-過去n日間の最安値)×100
ストキャスティクスの%Kが0(下限)~100%(上限)の範囲で表されるのに対して、ウィリアムズ%Rは-100(下限)~0%(上限)の範囲で表されます(チャートソフトによっては数値の範囲が異なる場合があります。MT4/MT5では-100~0%です)。
画像1/ウィリアムズ%Rとストキャスティクスの%Kの比較
画像1は、期間14のウィリアムズ%Rと、同期間のストキャスティクスの%Kを並べたものです。ほぼ似通った推移をしていることが分かります。ちなみに、ウィリアムズ%Rでは一般的に14というパラメータが用いられ、これがMT4/MT5でのデフォルトとなっています(名称はWilliams’ Percent Range)。
2.ウィリアムズ%Rの見方
一般的なオシレーター系指標は0~100%の範囲で値を取り、数字が小さいほど売られ過ぎ、大きいほど買われ過ぎと判断します。これは直観的に分かりやすいでしょう。ところが、ウィリアムズ%Rは-100~0%の範囲で値を取るため注意が必要です。
ウィリアムズ%Rでは、-80%以下が売られ過ぎ、-20%以上が買われ過ぎと判断します(より厳密に、-90%と-10%を基準にする考え方もあります)。マイナスの数値であることから、数値だけで考える混乱してしまうので、単純にサブチャートを見て下値水準なのか高値水準なのかを見ると良いでしょう。
画像2/ウィリアムズ%Rの買われ過ぎ/売られ過ぎ
3.フェイラーで逆張りを狙う
他のオシレーター系指標と同様に、ウィリアムズ%Rではダイバージェンス(価格とオシレーターの方向性の逆行)に注目することで、相場の反転を予測できます。とはいえ、オシレーター系指標のダイバージェンスを見たい場合は、ストキャスティクスやRSIを見る方が簡単なので、それらを利用する手もあります。
ウィリアムズ%Rならではの分析法は、「フェイラー」と呼ばれる動きを利用する方法です。フェイラーは文字通り「失敗」を意味し、次の動きが対象となります。
ウィリアムズ%Rが-80%(-90%)に達せず反転 | 売られ過ぎまではいかなかったが、価格が上がる可能性が高い→買いを検討 |
ウィリアムズ%Rが-20%(-10%)に達せず反転 | 買われ過ぎまではいかなかったが、価格が下がる可能性が高い |
画像3で赤く囲んだ箇所は、ウィリアムズ%Rが-79%で、わずかながら-80%に届いていません。これがフェイラーに該当し、これ以降は価格が上がる可能性が高いと考え、買いを検討することができます。
画像3/フェイラー
4.時間を加味した売買戦略
日足において、ウィリアムズ%Rと時間要素を組み合わせた考え方もあります。以下のルールで、買われ過ぎ/売られ過ぎからの逆張りを狙います。
買いシグナル | ウィリアムズ%Rが-100%に達してから5日後に、-95%を下回っている |
売りシグナル | ウィリアムズ%Rが0%に達してから5日後に、-5%を上回っている |
-100%や0%という数値は激しい買われ過ぎ/売られ過ぎによって出現します。その過熱感が5日ほど経って薄らいでいるようなら売買を仕掛けるという考え方です。ただし、-100%や0%という数値はそう簡単に出ないので、お目にかかる機会は多くないと言えそうです。
監修:山中康司氏
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