マルチタイムフレーム(MTF)分析とは|意味や基本的なやり方などを詳しく解説
マルチタイムフレーム(MTF)分析とは、上位時間足から下位時間足まで、複数の時間軸を分析する方法のことです。
本記事では、マルチタイムフレーム分析の意味や、基本的なやり方、移動平均線を使った応用などを解説します。
目次
- 1.マルチタイムフレーム分析(MTF)とは
- 2.マルチタイムフレーム(MTF)分析の基本的なやり方
- 3.移動平均線を用いたマルチタイムフレーム分析
- 4.マルチタイムフレーム移動平均線の設定方法
- 5.【まとめ】マルチタイムフレーム(MTF)分析とは|意味や基本的なやり方などを詳しく解説
マルチタイムフレーム分析(MTF)とは
マルチタイムフレーム分析の意味や特徴を説明します。
- ・意味
- ・応用した分析
意味
マルチタイムフレーム分析とは、複数の時間足を用いて相場を分析する、テクニカル分析の手法の1つです。
1つの時間足だけで分析すると小さな視野になってしまいますが、複数の時間足を分析することで大きな視野から小さな視野まで持つことができ、チャート分析の精度を高める期待が持てます。
基本的に上位足から下位足に向かって分析していきます。
マクロ分析とミクロ分析を合わせて行うことで、トレンドおよび狙う方向性、トレードのタイミングなどを複合的かつ論理的に考えることができます。
応用した分析
上記の考え方を応用して、1つの時間足のチャートに、上位時間軸のテクニカル指標を表示して分析するという方法もあります。
1つのチャートを見ながら、複数の時間軸のトレンドや過熱感、サポートライン・レジスタンスラインなどを把握することができます。
マルチタイムフレーム(MTF)分析の基本的なやり方
基本的なマルチタイムフレーム分析のやり方としては、上位足から下位足に向かって分析していきます。
明確な定義はないものの、例えば長期足・中期足・短期足のそれぞれで、以下のような分析を行います。
- ・長期足:大きなトレンドを確認する
- ・中期足:狙う方向性を確認する
- ・短期足:トレードタイミングをはかる
基本的には、長期足のトレンドへの順張りが、優位性が高いと考えられます。
そのため、トレードのシナリオを考える場合には、長期足のトレンドに乗るのか、逆らうのかを意識することが大切です。
長期足のトレンドに乗る場合は、中期足でも同方向のトレンドであるケースが望ましいと考えられます。
中期足でも上昇トレンドであれば、短期足で押し目買い(戻り売り)を狙うことで、より良いエントリータイミングとなります。
長期足のトレンドに逆らう場合は、中期足で逆方向のトレンドであるケースが望ましいと考えられます。
そして中期足の方向性に合わせて、短期足で押し目買い(戻り売り)を狙います。
下図では、長期足のトレンドへ順張りした例です。
このように長期足から短期足までのトレンドが一致している相場では、値幅を稼ぎやすい傾向があると考えることができます。
移動平均線を用いたマルチタイムフレーム分析
上述したマルチタイムフレーム分析は、上位足から下位足に向かって分析していく考え方であることを説明しました。
ここでは、マルチタイムフレーム分析の考え方を応用した例として、1つの時間足に上位足の移動平均線を表示して分析する方法を紹介します。
OANDA証券では、MT4・MT5のオリジナルインジケーターとして「OANDA_Multi_MA」(MTF移動平均線)を提供しています。
これは、チャート上に上位時間軸の移動平均線を表示するものです。
上位時間軸の移動平均線は、表示中の時間足において、サポートライン・レジスタンスラインとして機能しやすい傾向があります。
この傾向をトレードに利用することができます。
下チャートは、米ドル/円の日足に20週のMTF移動平均線を表示したものです。
出典:MT4
ローソク足が線の下にある時はレジスタンスライン、上にある時はサポートラインとして機能しています。
移動平均線は一般的に曲線が連想されますが、MTF移動平均線の場合、上のチャートのように「階段状」になっています。
階段状になる理由は、移動平均線が金曜日の終値で計算され、その1週間は同じレートが表示されるためです。
このレートの変わり目に、階段状の動きが現れます。
マルチタイムフレーム移動平均線の設定方法
マルチタイムフレーム移動平均線を設定する方法は、各ツールごとにいくつかの方法があります。
- ・MT4(メタトレーダー4)・MT5(メタトレーダー5)
- ・TradingView(トレーディングビュー)
MT4(メタトレーダー4)・MT5(メタトレーダー5)
ここでは、MT4・MT5のライブラリから、マルチタイムフレーム移動平均線を表示する方法について解説します。
ターミナルの「ライブラリ」ウィンドウを選択し、「Multi Timeframe Moving Average」をチャート上にドラッグ&ドロップします。
出典:MT4
再起動後、ナビゲーターのインディケータ内のDownloads内にできる「mtf_ma」をダブルクリック、またはチャート上にドラッグ&ドロップすると、設定画面が表示されます。
出典:MT4
設定項目は以下の通りです。
Moving Average Timeframe | どの時間軸のチャートの移動平均線を表示するかを指定します |
Moving Average Period | 移動平均線の期間を指定します |
Moving Average Method | 移動平均線の種類を指定します |
Moving Average Applied Price | 移動平均線の適用価格を選択します |
Moving Average Shift | 移動平均線を前後にずらす際にずらす幅を指定します |
次の例は、チャートに期間60日の移動平均線を表示させる場合の設定です。
出典:MT4
設定項目を指定した後OKを押すと、設定した時間軸の移動平均線が表示されます。
下のチャートは、1時間足チャートに60日移動平均線を表示した例です。
出典:MT4
TradingView(トレーディングビュー)
出典:TradingView
まず、チャートの上部にある「インジケーター」をクリックします。
画面中央にポップアップが出てくるので「SMA」と検索し、検索結果に出てくる「SMA(単純移動平均)」をクリックします。
するとSMA(単純移動平均線)が表示されます。
出典:TradingView
移動平均線を選択し、移動平均線上で右クリックするとメニュー画面が出てくるので「設定」をクリックします。
出典:TradingView
設定のポップアップ画面が表示されます。
出典:TradingView
ポイントは時間足の部分を「チャート」(チャートの時間軸=日足)から「1週」に変えることです。
また、週足移動平均線は週を通じて同じ値となるため「時間足の確定を待つ」マークを外して滑らかな表示ではなく、階段状に表示させることもできます。
【まとめ】マルチタイムフレーム(MTF)分析とは|意味や基本的なやり方などを詳しく解説
マルチタイムフレーム分析とは、上位時間足から下位時間足まで、複数の時間軸を分析する方法のことです。
応用として、1つのチャートの上に上位時間軸のテクニカル指標を表示する方法もあります。
いずれにしても大切なのは、上位時間足のトレンドを把握して、トレードの方向性やタイミングをはかろうとすることです。
マルチタイムフレーム分析も含め、移動平均線を応用するテクニカル分析の手法は、以下のコンテンツで詳しく紹介しています。
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