テクニカル分析解説

GMMA(複合型移動平均線)とは|基本的な見方・トレード手法などを解説


GMMAとは「Guppy Multiple Moving Average」の略で、日本語では「複合型移動平均線」と訳されます。

12本のEMA(指数平滑移動平均線)をチャート上に表示することで、トレンドの方向性や強弱を測ることができます。

本記事では、GMMAの基本的な見方やトレード手法などを解説します。

GMMA(複合型移動平均線)とは

GMMAは、チャート上に12本のEMA(指数平滑移動平均線)を表示させるテクニカル指標です。

「Guppy Multiple Moving Average」の略で、日本語では「複合型移動平均線」と訳されます。

それぞれの単語の意味は下図の通りで、Guppyは、開発者であるDaryl Guppy(ダリル・ガッピー)氏の名前に由来しています。

GMMA(複合型移動平均線)とは

12本のEMAを用いることで、トレンドの方向性や強弱を視覚的に把握しやすくなることが特徴です。

GMMA(複合型移動平均線)の見方

GMMAの見方は、以下の通りです。

  • ・移動平均線を短期と長期で6本ずつに分ける
  • ・移動平均線の並び順で判断する
  • ・移動平均線の分布の幅で判断する

移動平均線を短期と長期で6本ずつに分ける

GMMAの12本の移動平均線は、短期と長期で6本ずつに分けるのが一般的です。

短期・長期のそれぞれで、広く用いられる線の期間を一覧にすると以下の通りです。

短期 3・5・8・10・12・15
長期 30・35・40・45・50・60

移動平均線の並び順で判断する

移動平均線が「期間の長さ」に従って並んでいる場合、トレンドが本格化している可能性が高いと判断できます。

具体的には、以下のような状態です。

上昇トレンド 期間が短い線(短期)ほど上に来る
下落トレンド 期間が長い線(長期)ほど下に来る

以下のチャートでは、短期線を暖色、長期線を寒色で表示しています。

上昇トレンドと下落トレンド
出典:TradingView

上昇トレンドと下落トレンドで、色の上下が逆になっていることがわかります。

このように線が並ぶのは、短期線ほどトレンドに早く反応するためです。

例えば、上昇トレンドが始まったら、まず短期線から上がっていきます。

長期線は遅れて短期線の動きに続くため、「短期線ほど上に」いきます。

下落トレンドの場合はこの逆で「短期線ほど下」にいきます。

上のチャートのように移動平均線が順番にきれいに並んだ状態を「パーフェクトオーダー」と呼び、一過性の弱いトレンドではなく、継続性のある強いトレンドである、という可能性が高まります。

移動平均線の分布の幅で判断する

12本の移動平均線の幅は、トレンドの強弱を示します。

トレンドがない状態や、トレンドが弱い状態では、幅は狭くなります。

逆にトレンドが強い状態では、線の幅が広がります。

移動平均線の分布の幅で判断する
出典:TradingView

幅が狭い状態から広がる場面では、トレンドが発生する可能性があります。

逆に、幅が広い状態から狭まる場面では、トレンドの終了や転換を示唆している可能性があります。

GMMA(複合型移動平均線)の設定方法

ここでは、GMMAの設定方法をツールごとに説明します。

  • ・MT4(メタトレーダー4)・MT5(メタトレーダー5)
  • ・TradingView(トレーディングビュー)

MT4(メタトレーダー4)・MT5(メタトレーダー5)

GMMAはMT4・MT5に標準搭載されていないので、利用するにはカスタムインジケーターを用意する必要があります。

ここでは例としてOANDA証券のオリジナルインジケーター「OANDA_GMMA」を設定する方法を紹介します。

OANDA_GMMAは、OANDA証券の本番口座開設後、インジケーターライブラリよりダウンロードできます。

MT4の画面
出典:MT4

MT4かMT5を開き、左上の「ファイル」を選択します。

MT4の画面
出典:MT4

「データフォルダを開く」を選択します。

フォルダ

フォルダが開かれたら「MQL4」を開きます。

MT5の場合は「MQL5」を開きます。

フォルダ

「Indicators」のフォルダを開きます。

フォルダ

このフォルダに「OANDA_GMMA」のファイルを入れます。

MT4の画面
出典:MT4

もう一度MT4・MT5の画面を開き、左側にある「ナビゲーター」の欄を見ます。

MT4の画面
出典:MT4

「インディケータ」を選択します。

MT4の画面
出典:MT4

「OANDA_GMMA」をチャート画面にドラッグ&ドロップします。

MT4の画面
出典:MT4

上のようなポップアップが表示されるので「OK」を押します。

MT4の画面
出典:MT4

GMMAが表示されます。

TradingView(トレーディングビュー)

TradingViewの画面
出典:TradingView

画面左上の「インジケーター」を選択します。

TradingViewの画面
出典:TradingView

「インジケーター、指標、ストラテジー」というポップアップ画面が表示されます。

「検索」の欄に「GMMA」と入力します。

TradingViewの画面
出典:TradingView

GMMAに該当するインジケーターの候補が一覧になります。

最初は一番上のインジケーターから試すのが良いでしょう。

TradingViewの画面
出典:TradingView

このようにGMMAが表示されます。

TradingViewの画面
出典:TradingView

カスタマイズをしたい場合は、左上にある文字列にカーソルを合わせます。

TradingViewの画面
出典:TradingView

文字列の上にこのようなメニューが表示されるので、歯車のアイコンをクリックします。

TradingViewの画面
出典:TradingView

カスタマイズのポップアップ画面が表示されます。

「スタイル」のメニューでは、線の色や太さなどの「見た目」を変更できます。

TradingViewの画面
出典:TradingView

「パラメーター」を選ぶと、12本の移動平均線の期間を設定できます。

TradingViewの画面
出典:TradingView

「可視性」を選ぶと、どの時間足でGMMAを表示するか、しないかを選べます。

初期設定ではすべて表示になっていますが、上の画面では試しに「時間足」を外しています。

TradingViewの画面
出典:TradingView

上のチャートは、1時間足でGMMAが表示されていない様子です。

赤枠で囲った部分の色が薄くなり、目のアイコンも非表示モードになっています。

GMMA(複合型移動平均線)に関する注意点

GMMAを使用する際の注意点は、以下の通りです。

  • ・ダマシに気をつける
  • ・レンジ相場に気をつける

ダマシに気をつける

GMMAを用いた分析も含め、FX取引における様々なテクニカル分析では「ダマシ」の現象が起こり得ます。

FX取引のダマシとは「売買シグナルと反対方向へ価格が変動すること」です。

GMMAの場合、例えば上昇トレンドでは、期間の短い移動平均線から順番に上から下へ並んでいると「強い上昇トレンド」と判断されます。

強い上昇トレンドであれば、一般的には「買い」が狙えます。

しかし、このような状況から逆に下落に転じることもあります。

ダマシを減らすにはGMMA以外のテクニカル指標も併用し、相場を多角的に分析することが重要です。

レンジ相場に気をつける

GMMAは、トレンドの強弱や方向性を把握しやすい反面、トレンドが発生していないレンジ相場もみあい相場)では、機能しにくいと考えられます。

レンジ相場に適したテクニカル指標としては、RSI(相対力指数)ボリンジャーバンドなどが挙げられます。

これらの指標も併用することで、レンジ相場でも的確な分析を行いやすくなるでしょう。

【まとめ】GMMA(複合型移動平均線)とは|基本的な見方・トレード手法などを解説

GMMAは、12本のEMAを用いることで、トレンドの方向性や強弱を測ることができるテクニカル指標です。

12本の線の順番でトレンドの方向性を、分布の幅でトレンドの強弱を測ることができます。

GMMAは移動平均線の一種であり、移動平均線には他にもまだ多くの種類があります。

他の種類の移動平均線については、以下のコンテンツで紹介しています。

OANDA証券では、GMMAによる相場分析を的確に行えるオリジナルツール「OANDA_GMMA」を提供しています。

他にも独自開発のツールを多数提供しており、FX取引をより有利に行いやすくなります。

OANDA証券での取引に興味をお持ちいただけた方は、以下のボタンから口座開設をご検討ください。

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