先行移動平均線(DMA)とは?ディナポリやアリゲータ手法について紹介
「シフト」の期間をずらして表示
先行移動平均線(Displaced Moving Average:DMA)は、displace(ずらす)という単語が用いられている通り、移動平均線を本来の位置から未来や過去にずらして表示するものです。MT4/MT5ではチャートに移動平均線(Moving Average)を挿入する際、パラメータ設定画面の「シフト」に任意の数字を入れることで、正の数値ならその期間を先行、負の数値なら逆行させることができます。
画像1/移動平均線の先行と逆行
移動平均線を先行させることにより、将来のローソク足(値動き)がどう推移すれば、どんな位置関係になるかということを判断できます。そして先行させたラインは単純にサポートやレジスタンスとしても機能するため、その働きを予想することができます。そうした相場予想ができるようになることから、1本の移動平均線の使い方を発展、強化させたものであるという考え方で良いでしょう。
3本のDMAを用いるディナポリ手法
移動平均線を先行させるので有名なのは、ジョー・ディナポリの手法です。同手法では、次の3本のDMAを利用します。
- 短期:3日線×3日先行
- 中期:7日線×5日先行
- 長期:25日線×5日先行
画像2/ディナポリ手法
短期線(青) 中期線(赤) 長期線(緑)
基本的には、3本の移動平均線の見方が通用します。実際のディナポリ手法では、「スラスト」「ペネトレーション」といった細かいルールがありますが、そうした複雑な手法を覚えるよりも、まずは基本を抑えることが大事だといえます。ちなみに、スラストとはローソク足が8期間以上、短期DMAを割ることなく上昇(下降)している状態のこと、ペネトレーションとはスラストを利用したトレンドフォロー手法のことを指します。
ディナポリ手法とは少し異なるアリゲータ
ディナポリ手法と共に有名なのが、アリゲータです。こちらは、ビル・ウィリアムズが開発したもので、指数平滑移動平均線(EMA)を先行させます。MT4/MT5のインディケータには「ビル・ウィリアムズ系」が取り揃えられており、その中にアリゲータ(Alligator)はあります。アリゲータは、次の3本のDMAを利用します。なお、計算の適用価格は「Median Price」(高値と安値の中間値)なのが特徴です。
- 短期:5日線×3日先行
- 中期:8日線✕5日先行
- 長期:13日線✕8期間先行
画像3/アリゲータ
短期線(緑) 中期線(赤) 長期線(青)
分析方法の基本は、3本のDMAの収束と拡散に注目することです。収束している状態から拡散し始めたときに、順張りでエントリーします。ビル・ウィリアムズは同手法だけでなく、他の手法も組み合わせて総合的に判断することを勧めています。
監修:山中康司氏
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