移動平均線を何本組み合わせるかで読み取れる情報の変化
1本の移動平均線(Moving Average:MA)から読み取れること
移動平均線を利用したチャート分析では、何本を組み合わせるかによって、チャートから読み取れる内容が変わります。ここでは、1本、2本、3本と移動平均線の組み合わせを増やした場合に、どんなことが読み取れるようになるか、その特徴をまとめます。まず、何本使う場合でも基本となる考え方として、次の2点が重要です。
<移動平均線の傾き>
右肩上がりなら上昇、右肩下がりなら下降の流れであると考えられます。また、その傾きが緩やかなのか、急なのかによって、勢いを判断することもできます。
<移動平均線と終値の位置関係>
ローソク足の終値が移動平均線よりも上にあるか、下にあるかを見ることで、上昇/下降の流れが判断できます。
画像1/21日移動平均線
画像1で移動平均線の傾きに注目すると、緩やかに下降する流れがチャート半ば過ぎまで続き、それから強く上昇する流れに転換しています。次に、ローソク足との位置関係に注目すると、緩やかな下落局面では時折ローソク足と交差するところも見られる一方で、上昇に転じてからはローソク足と交差することなく乖離する動きが目立っている状況が分かります。
2本の移動平均線は交差に注目
期間の異なる2本の移動平均線を組み合わせることで、売買シグナルを得ることができます。典型的なパターンは、短期線と(中期)長期線のゴールデンクロス(GC)/デッドクロス(DC)です。短期線が長期線を下から上に抜ければゴールデンクロスで買いシグナル、その逆の動きならデッドクロスで売りシグナルと考えます。
また、クロス後にその位置関係が続いている間は、トレンドが継続していると見ることができます(画像2参照)。一般的には、短期線と長期線の組み合わせが用いられますが、「期間を変えず、適用期間を変える組み合わせ」(例えば5日始値移動平均線と5日終値移動平均線)など、そのバリエーションは非常に多くあります。
画像2/2本の移動平均線の交差
5日移動平均線(青) 21日移動平均線(赤)
パラメータの組み合わせは、「5と21」「20(21)と90(89)」を好んで使う人が多いようです。期間が近すぎず離れすぎずの場合は、2本の移動平均線の挙動や癖を掴むことこそが重要だといえます。ちなみに、株の週足では「13週と26週」が四半期と半期に相当することから、好んで使われる傾向があります。
3本の移動平均線を使った分析方法
3本の移動平均線を用いる場合は、短期線、中期線、長期線を組み合わせるのが一般的です。その3本の並びの順序からトレンドを読み取るのが基本で、上昇トレンドでは短期>中期>長期の順に、下降トレンドでは長期>中期>短期の順に並んでいる状態をトレンドと判断します。また、3本の順序が乱れている時はもみ合いと判断できます。
このもみ合い状態を見抜けるのが、2本から3本目を加えるメリットです。パラメータの組み合わせは、短期の倍を中期、中期の倍を長期とすることが一般的です。例えば、5-10-20期間などです。
画像3/短期、中期、長期線の表示
5日移動平均線(青) 10日移動平均線(赤) 20日移動平均線(緑)
監修:山中康司氏
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