主要米国株価指数が史上最高値を更新 OANDAラボ-マーケット最新情報（2021年2月8日）
主要米国株価指数が史上最高値を更新
【S&P500（CFD）週足チャート】
先週は株式市場の乱高下が一服したほか、バイデン米新政権による経済対策への期待感等により、主要な米国株価指数が史上最高値を更新するなど、リスク許容度の高い状態が続きました。
債券市場では、景気回復期待、国債発行額の増加が見込まれることにより、米国10年債利回りはジワリと上昇し、FX市場では、対円、ユーロ、スイスフラン等の低金利通貨が対ドルで比較的弱い動きとなりました。
また、ドルインデックスを見ると、週末には少し失速したものの、反発地合いが続いています。
【ドルインデックス、S&P500、米国10年債利回りの動き】
今週は中銀関係者のコメント機会、米国消費者物価指数などが予定
今週はパウエルFRB議長やラガルドECB総裁、ベイリーBOE総裁等のコメント機会が予定されています。
相場に大きなインパクトを与えるような内容となる可能性はそれほど高くないと考えられますが、内容次第では市場が過敏に反応する可能性もあるため、注意が必要となりそうです。
このほか、米国では消費者物価指数の発表が予定されています。本来は、米国の金融政策を占う上では重要な経済指標ではありますが、今のところFRBのテーパリング観測も後退しており、市場への影響は限定的となりそうです。ただし、市場予想との乖離が大きい場合は市場が過敏に反応する可能性もあるため、一応注意したいです。
直近30日間の主要通貨の強弱
先週のFX市場は円、ユーロ、スイスフランが比較的弱い推移となったのに対し、ポンドが引き続き底堅いほか、前週まで弱かった豪ドルが反発する動きとなりました。
【直近30日間の主要8通貨の通貨の強弱チャート】
【先週の主要8通貨の通貨別の騰落率】
直近30日間の株価指数の増減率
米国市場
先週の米国株式市場は反発に転じ、主な株価指数は年初来高値を更新となりました。今週も底堅い推移が続くかに注目したいです。
欧州市場
欧州の株価指数も反発に転じる動きとなりました。ただし、英国の株価指数は少し伸び悩んでいます。
アジア・オセアニア市場
アジア、オセアニアの株価指数も台湾、香港、中国などの株価指数を中心に底堅い推移となりました。ただし、シンガポールの株価指数は少し伸び悩む動きとなりました。
主要銘柄の相関性分析
先週のドルストレートの主要銘柄の値動きの相関性を見ると、円、ユーロ、スイスフランが対ドルで相関性が高い状態であったのに対し、ポンド、豪ドル、カナダドル等の対ドルの相関性は比較的薄く、少し異なる動きをしていたようです。
【直近1週間の主要ドルストレート通貨ペアの相関性】
ドル円とクロス円の通貨ペア同士の相関性を見ると、円、ユーロ、スイスフランが対ドルで近い値動きであったこともあり、ドル円とユーロ円、スイスフラン円の間では相関性を見出すことはできず、むしろ逆相関の関係となりました。ドル円とその他の通貨ペアに関しては、比較的相関性の高い動き（円が弱い動き）となりました。
【直近週間のドル円、クロス円の相関性】
先週の主要通貨と米国株価指数（ここでは代表的なUS500との相関性を表示しています）の相関性では、株価指数とドル円の相関性が高いほか、ユーロドルと逆相関の関係が高く、円、ユーロと米ドルの関係では、株式市場が上昇すると、ドル買い、株式市場が下落すると、ドル売りの関係となっており、以前の関係とは逆の動きに変化しているようです。
さらに前週に続きGBP/USDと株式市場の相関は薄いほか、前週まで相関性の高かったAUD/USDと株式市場の相関性も薄くなっており、株式市場と米ドルの相関性に変化が生じています。
また、US500とドル円、クロス円の相関関係を見ると、ドル円と株式市場の相関性は高いものの、クロス円との相関関係は以前より低下となりました。
【先週の主要銘柄と米国株価指数の相関性】
OANDA、通貨先物市場（FX）のポジション、主要銘柄の値動き
FX
米ドル/円（USD/JPY）
先週のドル円は105.00付近で揉み合う動きが続いた後、しっかりと105円台に乗せる動きとなり、一時105.80付近まで上昇する動きとなりました。
OANDAのオープンポジションを見ると買いポジションの比率が55.5％と前週から低下する中、底堅い推移が続いたことにより、含み損を抱えた売りポジションが増えており、下押した水準では安堵の買い戻し、高値を切り上げる動きとなると、これらのポジションの損切りの買いが増え、底堅い動きが続く可能性を見出すことはできそうです。
ただし、直近の下押しにより、含み損を抱えた買いポジションも少し増えており、反発した水準では安堵のやれやれ売り、下押しが続くとこれらの買いポジションの損切りの売りが増え、下落を後押しすることが想定され、調整売りが進む可能性も考えられそうです。
日足のRSIも70を一度超え、買いに過熱感が出た後ということもあり、短期的には調整が続く可能性も考えながら、方向感を探っていきたいところです。
【USD/JPYの4時間足チャート】
表示しているインジケーター：OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
先週火曜日時点の投機筋の円の通貨先物ポジションは円買い、円売りポジションが双方増え、ネットすると、横ばいとなりました。
依然として円買いポジションの比率が高い状態が続いており、円の上昇を予想したポジションが多いと見ることができる一方で、将来の決済（円買いポジションの決済なので将来の円売り）が増加していると見ることもできそうです。
今後のドル円の値動きと買いポジションの決済がどの程度入ってくるかに今後は注目したいです。
【投機筋の通貨先物市場の円のポジションの推移（最終更新日2021/02/02）】
ユーロ/米ドル（EUR/USD）
先週のユーロドルは上値の重い推移となり、前週のサポート水準の1.2050付近を割り込み、一時は1.2を割り込む水準まで下落した後、週末にかけて反発し、1.2050付近まで反発する動きとなりました。
4時間足チャートを見ると、高値、安値を切り下げる動きが続いており、緩やかな下落基調が続きましたが、週末には少し大きな反発となっており、今週はまず、この反発地合いがどの程度続くかを見守りたいところです。
OANDAのオープンポジションを見ると、売買の偏りは少ない中、直近の反発により、含み損を抱えた売りポジションが少し目立ち、下押しした水準では安堵の買い戻し、高値を切り上げる動きとなると、損切りの買いが増えることが想定され、底堅い推移が続く可能性を見出すことができそうです。
しっかりと高値を結んだ下落トレンドラインを突破できるか、直近の高値水準を突破できるか、日足のパラボリック等に注目しながら、トレンド転換の可能性を探っていきたいです。
【EUR/USDの4時間足チャート】
表示しているインジケーター：OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
先週火曜日時点における投機筋の通貨先物市場のユーロの買いポジションが減少し、ネットでも買いポジションの比率が低下しています。依然として買いポジションの比率が高い状況であるため、買いポジションの決済による、さらなる下押し余地は残されているように見えます。直近のユーロドルの動きを見ると、反発地合いが強まっていますが、反発した水準で買いポジションの決済がどの程度入ってくるかに注目しながら、ユーロドル相場の方向感を探っていきたいです。
【投機筋の通貨先物市場のユーロのポジションの推移（最終更新日2021/02/02）】
ポンド/米ドル（GBP/USD）
小動きが続いていたポンドドルは先週、4時間足チャートで安値を結んだラインを割り込み、一時1.36を割り込む水準まで下押しする動きとなった後、反発に転じ、直近のレジスタンス水準の1.376に迫る動きとなっています。
OANDAのオープンポジションを見ると、売りポジション比率が60%台まで上昇する中、週末にかけての上昇により、その多くが含み損を抱えており、下押しした水準では安堵の買い戻し、高値を切り上げる動きとなると、損切りの買いが増え、底堅い動きが続く可能性を見出すことができそうです。
このところ、1.376付近で上値を抑えられる動きが続いており、今週はしっかりとこの水準を突破できるか、下押しの際は前週のサポート水準を守れるか等に注目しながら、方向感を探っていきたいです。
【GBP/USDの4時間足チャート】
表示しているインジケーター：OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
先週火曜日時点における投機筋のポンドの通貨先物市場のポジションはネットすると、売買双方のポジションが増加し、ネットすると横ばいとなりました。
売買の力が均衡する中、徐々にポジションが増えており、均衡が崩れると、苦しくなったポジションの損切りを絡め、方向感が出てくる可能性も考えられそうです。
今後もポジションの増加傾向が続くか、均衡がいずれに崩れるか等に注目しながら、ポンドの方向感を探っていきたいです。
【投機筋の通貨先物市場のポンドのポジションの推移（最終更新日2021/02/02）】
豪ドル/米ドル（AUD/USD）
先週の豪ドルは前半こそ上値の重い動きとなったものの、4時間足チャートを見ると、短期的には安値、高値を切り上げる動きとなっており、下押しに一服感が出てきているのが確認できます。
今週はこの反発地合いが続くかにまずは注目したいところです。
OANDAのオープンポジションを見ると、売買の偏りは少ないですが、直近の反発により、含み損を抱えた売りポジションが増えており、下押した水準では安堵の買い戻し、高値を切り上げる動きとなると、損切りの買いが増え、底堅い推移が続く可能性を見出すことができそうです。
直近の高値、安値、トレンドラインの水準等に注目しながら、反発地合い継続の可能性を探っていきたいです。
【AUD/USDの4時間足チャート】
表示しているインジケーター：OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
先週火曜日時点の投機筋の通貨先物市場における豪ドルのポジションは売りポジションが微増となりましたが、依然として偏りの少ない状況が続いており、売買いずれに傾くかを見守りたいところです。
【投機筋の通貨先物市場の豪ドルのポジションの推移（最終更新日2021/02/02）】
CFD
米国S&P株価指数500（US500）
先週のUS500は序盤こそ上値の重い推移となったものの、その後は反発に転じ、史上最高値を更新する動きとなりました。
OANDAのオープンポジションを見ると、売りポジションが66％台まで上昇する中、その多くが含み損を抱えており、下押しした水準では安堵の買い戻し、高値を切り上げる動きとなると、損切りの買いが増えることが想定され、底堅い推移が続く可能性を見出すことができそうです。
今週も最高値を更新することができるか、下押しの際は買いがしっかりと入ってくるかに注目しながら、上昇基調継続の可能性を探っていきたいところです。
【US500の4時間足チャート】
表示しているインジケーター：OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
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