GBP(英ポンド)とは|特徴・疑問を解説
世界の主要通貨の1つであるGBPは、取引量が多く、その他の通貨ペアに影響を与える存在なので、深く理解すべき通貨の1つです。
GBPは、英国通貨であるポンドの国際通貨コードのことを指します。
FX市場において、ポンド/円はボラティリティ(変動率)が高く、人気がある通貨ペアの1つです。
ボラティリティが高いほど大きな利益が得られる可能性がありますが、反対に損失が大きくなるリスクもあるため注意が必要です。
本記事では、そんなGBPの特徴や、2024年の相場の見通しなどの情報をまとめていきます。
GBP(英ポンド)とは?
GBPとは英国の通貨であるポンドの通貨コードです。
ポンドは米ドル、ユーロ、円に続き世界第4位の取引量を誇る通貨です。
かつては英国が経済、軍事力において世界最大であったこともあり、ポンドが世界の基軸通貨となっていた時代もありました。
ポンドは、英国の中央銀行であるイングランド銀行(BOE)の金融政策の影響を強く受けるほか、北海油田を有しているため、原油価格の動きの影響を受けることもあります。
FX市場では、ポンドと円の通貨ペアであるポンド/円はボラティリティ(変動率)が高いため、人気の通貨ペアの1つです。
GBP(英ポンド)の特徴
GBPには、以下の3つの特徴があります。
- ・取引量が多い
- ・ボラティリティが高い
- ・流動性が高い
それぞれの特徴について詳しく解説していきます。
取引量が多い
先述の通りGBPの取引量は、通貨別の取引量ランキングで世界4位です。
(2022年10月国際決済銀行発表のデータより。合計は200%)
見ての通り「1位米ドル、2位ユーロ、3位日本円」に次ぐ4位に位置しています。
また、通貨ペア別で見ると「GBP/USD」は世界3位です。
ボラティリティが高い
ボラティリティとは「価格変動性」のことで、ボラティリティが高い通貨ほど、価格の変動が激しくなります。
メジャーな通貨はボラティリティが低い傾向がありますが、GBPは例外的に高めです。
GBPのボラティリティが高くなる局面は、英国経済で大きな出来事があった時です。
代表的な出来事としては、2022年のトラスショックや、2016年のブレグジット(EU離脱)、1992年のポンド危機(ブラック・ウェンズデー)などが挙げられます。
なお、価格の変動が激しければ、その変動を予測することで大きな利益を出しやすくなります。
OANDAでは「ボラティリティ確認ツール」を提供しています。
実際に自分でGBPのボラティリティを確認したい人は、ツールを使って確かめてみましょう。
流動性が高い
FXの流動性とは「売買の相手方の見つけやすさ」のことです。
売買の相手方が見つかりやすい場合、短時間で売買を繰り返すスキャルピングなどの手法も、実践しやすくなります。
取引量が多いほど売買の相手方もよく見つかるため、取引量と流動性は基本的に一致します。
そのため、GBPの流動性は「米ドル・ユーロ・日本円」に次ぐ世界4位となっています。
流動性とは何か詳しく解説している記事もあるので、もっと詳しく知りたい人は一緒に読んでみると良いでしょう。2023年GBP(英ポンド)の見通し
GBPの今後の見通しは、FXのトレードを行う上で非常に重要な情報です。
ここでは「2022年〜2023年の振り返り」と「2023年12月後半〜2024年序盤の見通し」をまとめます。
ポンド円(GBP/JPY)の今後の予想・見通しはこちらの記事で、もっと詳しく解説しています。2023年のポンド/円(GBP/JPY)の振り返り
2023年のポンド/円相場を一言でまとめると「前半に約20%上昇し、後半は高止まり」という展開でした。
1月の時点で158円前後だったポンド/円は、7月に184円前後まで上昇しています。
出典:Trading View
7月から12月にかけてわずかに上がっていますが、12月に入ってからは下落傾向となっています。
このような相場になった原因の一つは「英国の政策金利の引き上げ」です。
英国の政策金利は、2022年から始まった上昇が2023年も続き、そして6月以降は高止まりしています。
この金利の動きは、ポンド/円の相場の動きとほぼ一致しています。
英国の政策金利がこのように上がり続けたのに対して、日本の政策金利は2023年も「マイナス金利」で横ばいを続けました。
日本の金利「-0.1%」と、英国の金利「+5.25%」を比較すると、いかに金利差が大きいか分かるでしょう。
金利が高いということは、ポンドを持っている方が利子によって利益を得られます。
そのため、投資家は円を売ってポンドを買うようになり、円安ポンド高となるわけです。
2023年12月後半〜2024年序盤の見通し
2023年12月14日に、中央銀行(英中銀)の政策金利が発表されました。
金利は「5.25%」で、これは2会合連続の据え置きでした。
英中銀は、この高止まりを「長期間にわたり」維持する必要があるという認識を示しています。
また、ベイリー英中銀総裁は「インフレ抑制で、まだやるべきことがある」とコメントし、追加の利上げもあり得ることを示唆しました。
これらの事実を見ると、2024年も金利の高止まりが続く可能性が高いと考えられます。
この金利据え置きを受けて、14日の発表以降のGBPは、上昇傾向(買い傾向)となりました。
大きな上昇ではないものの、発表直後のポンド/円は179円付近から180円付近に上昇しています。
2024年の英国の政策金利は、以下のスケジュールで決定されます。
- ・2月1日
- ・3月21日
- ・5月9日
- ・6月20日
- ・8月1日
- ・9月19日
- ・11月7日
- ・12月19日
例えば次回の2月1日も金利据え置きとなった場合、今回の12月の相場の動きが、1つの参考となる可能性があります。
GBP(英ポンド)に関するよくある質問
GBPに関しては、以下のような疑問点がよく見られます。
- ・GBPとは何の略ですか?
- ・ポンドはなぜlbと略されるのですか?
GBPとは何の略ですか?
GBPは、Great Britain Pound(グレートブリテン・ポンド)の略です。
日本では「英ポンド」と呼ぶのが一般的で「イギリス・ポンド」や「UKポンド」などの別称もあります。
なお、英ポンドの正式名称は「スターリング・ポンド」であるため「STG」と表記することもあります。
ポンドはなぜlbと略されるのですか?
ポンドはかつて「リーブラ・ポンド」と呼ばれていました。
リーブラ(Libra)とは、ラテン語で天秤のことです。
ポンド(Pound)とは本来「重さ」の単位で、現在でも「1ポンド=453.592グラム」として、日常的に用いられます。
昔のリーブラでは、このポンド(重量)を測っていたのです。
そして「リーブラで測った重さ」という意味で、リーブラ・ポンド(Libra Pound)という言葉が生まれました。
やがて「リーブラ」の部分が省略されて「ポンド」だけになり、現在の英ポンドが自然に生まれたという流れです。
このような由来から、現在でもポンドの記号は「lb」となっています。
【まとめ】GBP(英ポンド)とは?
GBPはその取引量の多さやボラティリティの高さで、世界の外国為替市場に大きな影響を与える通貨です。
直接GBPペアを取引しなくとも、自らがトレードする通貨ペアがGBPの相場の影響を受けることはしばしばあります。
このため、GBPペアを扱う場合に限らず、FXの取引をするのであれば、GBPや英国経済の動きにも、一定の注意を払うようにすると良いでしょう。
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