FX会社がどのくらいカバー取引をしているのか
FX会社のカバー取引とは?
FX会社では基本的に、顧客から注文を受けると、リスクをヘッジするために、銀行や証券会社などで取引を行います。これをカバー取引といいます。
注文を受けたままでいると、FX会社が為替変動リスクを負ってしまうからです。
【カバー取引のイメージ】
例えば、ドル円の買いが入った場合は、ドル円の買い注文を銀行や証券会社で行い、リスクをヘッジします。この場合、顧客の注文金額よりも低い金額で買うことができれば、FX会社の収益となります。
【注文に応じカバー取引を行う場合のイメージ】
ただし、同じタイミングで顧客から売りと買いの双方が入った場合には、FX会社のリスクは相殺されるため、カバー取引を行う必要がなくなります。このように同時に売買の注文が入れば、スプレッド(売値と買値の差)分がFX会社の収益となります。
【同時に売買の注文が入った場合のイメージ】
一般的には、買い、売りが一定数量に傾くまでは、FX会社でリスクを採り、カバー取引を行わなず、一定数量を超えるとカバーを行うというような各社の独自のリスクヘッジ方法に従い、運営している場合が多いです。
【一定水準まで貯めてからカバー取引のイメージ】
これは、短期間に売りと買いの双方の注文が入ることも多く、全ての取引でカバー取引を行うよりもシステムへの負担も少なく、収益面でも効率的であるためです。
FX会社がスプレッドを銀行や証券会社よりも狭いスプレッドで提供することができているのは、このためです。
どのくらいの割合でカバー取引をしているのですか?
それでは、FX会社は顧客の取引量に対して、どの程度のカバー取引を行っているのでしょうか?
これは、FX会社により、どの程度までリスクを取るかで変わってきますが、金融先物取引業協会の調査によると、ここ数年では全体で顧客の取引量の4割程度のカバー取引率になることが多いようです。(下の表のカバー取引率の部分を参照)
これを見ると、半分以上の取引がFX会社の中で、他の顧客との取引と出会い、消化されているのが確認できると思います。
このため、「自分の行った取引が、市場に影響を与えていないのでは?」と考える人もいるかもしれませんが、考え方としては、FX会社や他のFXトレーダーが反対のポジションを持った市場参加者になったとだけで、取引量にもよりますが、市場に対して、少なからず、影響を与えていることには違いないということはできます。
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