FX・CFDの法人設立後に必要な官公署への届出は?
1.法務局
会社の設立登記が完了したら、設立した会社の登記事項証明書(全部履歴事項証明書)、印鑑証明書を取得します。
最初に印鑑カード交付申請書を提出し、印鑑カードを取得します。
併せて、印鑑証明書、登記事項証明書を取得します。
この2つの書類は、各役所や銀行の口座開設等の手続きで度々使用します。
これらの手続きは、コピーでOKの場合や原本還付ができる場合がほとんどですが、余裕を持って2枚程度取得しておくことをおすすめします。
印鑑証明書・登記事項証明書の取得には費用が発生します。
この手続きを専門家に依頼するときは「司法書士」に依頼します。
(会社設立の登記申請を依頼すると、取得してくれる場合が多いです。)
書類の名称 | 内容 | 添付書面 | 期限 |
---|---|---|---|
印鑑カード交付申請書 | 印鑑証明書を取得する際に使用する印鑑カードの交付を請求する書類 | なし | なし |
印鑑証明書交付申請書 | 印鑑証明書の交付を申請する書類 | 印鑑カード | なし |
登記事項証明書交付申請書 | 登記事項証明書の交付を請求する書類 | なし | なし |
2.税務署
税務署は国税に関する手続きを行う役所です。
設立した会社の所在地を管轄する税務署※に設立届を含む各種申請を行います。
設立後すぐに提出したいのは、「法人設立届出書」、「青色申告の承認申請書」です。
その他は必要に応じて提出を行います。
この手続きを専門家に依頼する場合は、「税理士」に依頼します。
下記以外にも「申告期限の延長申請書」「消費税課税事業者選択届出書」等の提出を必要に応じて検討する必要があります。
書類の名称 | 内容 | 添付書面 | 期限 |
---|---|---|---|
法人設立届出書 | 法人を設立したことを届け出る書類 | 定款 | 設立後2ヶ月以内 |
青色申告の承認申請書 | 最大10年までの欠損金の繰越控除、欠損金の繰り戻し還付等の特典のある青色申告書で提出することの承認を受けるための書類 | なし | 設立後3ヶ月以内 |
給与支払事務所等の開設届出書 | 給与の支払いがある事務所を開設したことを届出るための書類 | なし | 給与支払事務所を開設した日から1ヶ月以内 |
源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書 | 通常、給与等から源泉徴収した源泉所得税は翌月10日まで納付する必要がありますが、給与の支給人員が常時10人未満の場合に半年に1回まとめて納付できるようにするための書類 | なし | 期限はなし。原則、提出した日の翌月に支払う給与等から適用 |
棚卸資産の評価方法の届出書 | 棚卸資産(在庫)の評価方法についての届出 | なし | 設立第1期の確定申告書の提出期限 |
減価償却資産の償却方法の届出書 | 減価償却資産の償却方法についての届出 | なし | 設立第1期の確定申告書の提出期限 |
※税務署の管轄はこちらでご確認ください。
3.都道府県税事務所
都道府県税事務所は地方税に関する手続きを行う役所です。
都道府県ごとに税率や各種届出等の様式が異なるため、所轄の都道府県税事務所のウェブサイト等でご確認ください。
この手続きを専門家に依頼する場合は、「税理士」に依頼します。
書類の名称 | 内容 | 添付書面 | 期限 |
---|---|---|---|
法人設立届出書 | 法人を設立したことを届け出る書類 | 定款、登記事項証明書(コピー可) | 都道府県により異なる |
4.市町村役場
市町村により、様式は異なるケースがありますが、基本的には、都道府県税事務所への届出と同一の内容です。
また、市町村により提出の要否が異なります。
ちなみに東京23区の場合は提出する必要はありません。
この手続きを専門家に依頼する場合は、都道府県税事務所への届出と併せて「税理士」に依頼します。
書類の名称 | 内容 | 添付書面 | 期限 |
---|---|---|---|
法人設立届出書 | 法人を設立したことを届け出る書類 | 定款、登記事項証明書(コピー可) | 市町村により異なる |
5.年金事務所
年金事務所では、社会保険(健康保険・厚生年金)に関する手続きを行う役所です。
会社を設立した場合、法人は社会保険の強制適用事業所となるため、設立から5日以内に「健康保険・厚生年金新規適用届」、「健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届」、「健康保険被扶養者(移動)届(国民年金第3号被保険者関係届)」(必要の場合)を管轄の年金事務所に提出します。
この手続きを専門家に依頼する場合は、「社会保険労務士(社労士)」に依頼します。
書類の名称 | 内容 | 添付書面 | 期限 |
---|---|---|---|
健康保険・厚生年金新規適用届 | 健康保険・厚生年金保険の適用事業所となった場合に提出 | 登記事項証明書(コピー不可)、法人番号指定通知書等のコピー、所在地が登記上の住所と異なる場合は賃貸借契約書の写し等 | 会社設立から5日以内 |
健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届 | 健康保険・厚生年金保険の被保険者の資格取得について届け出る書類 | なし | 被保険者が発生してから5日以内 |
健康保険被扶養者(移動)届 | 健康保険の被扶養者がいる場合に提出 | なし | 被保険者が発生してから5日以内 |
6.ハローワーク(従業員を雇用した場合)
1週間の所定労働時間が20時間以上の従業員を採用した場合は、雇用保険に関する届出をハローワークにする必要があります。
ちなみに、同居の親族を役員にしただけの場合は、同居の親族は原則として「従業員」に該当しないため、それだけでは雇用保険の適用事業所にはならないため、ハローワークへの届出の必要はありません。
この手続きを専門家に依頼する場合は、「社会保険労務士(社労士)」に依頼します。
書類の名称 | 内容 | 添付書面 | 期限 |
---|---|---|---|
雇用保険適用事業所設置届 | 雇用保険に適用されるようになった場合に提出。 | 労災保険の保険関係成立届、登記事項証明書(コピー可)、労働者名簿等、ハローワークにより異なる | 従業員を雇用した翌日から10日以内 |
雇用保険被保険者資格取得届 | 雇用保険の被保険者を届け出る書類 | なし | 従業員を雇用した翌日から10日以内 |
7.労働基準監督署(従業員を雇用した場合)
1人でも従業員を採用した場合は、労働保険の保険関係成立届を労働基準監督署、またはハローワークへ提出します。
その後、成立日から50日以内に成立日〜年度末(3/31)までの概算保険料を申告、納税します。
対象となる従業員は正社員に限らず、パート、アルバイトも労働時間にかかわらず、対象となります。
提出が必要となる書類は以下の通りですが、従業員数により、別途提出が必要な書類が発生する場合もあります。
この手続きを専門家に依頼する場合は、「社会保険労務士(社労士)」に依頼します。
書類の名称 | 内容 | 添付書面 | 期限 |
---|---|---|---|
労働保険 保険関係成立届 | 従業員を1人でも雇用した場合に提出 | 登記事項証明書、所在地が登記上の住所と異なる場合は賃貸借契約書の写し等 | 従業員を雇用した翌日から10日以内 | 労働保険 概算保険料申告書 | 成立日〜その年度の年度末(3/31)までの概算保険料を申告する書類 | なし | 従業員を雇用した翌日から50日以内 | 就業規則(変更)届 | 従業員の就業ルール等を定めた規則。 賃金や休日などの絶対的必要記載事項に加え、会社で定めたルールを記載する。 |
なし | 従業員を常時10人以上雇用したら速やかに | 適用事業報告 | 労働者数等について報告する書類 | なし | 従業員を雇用したら速やかに | 時間外労働・休日労働に関する協定届 | 従業員に時間外・休日労働をさせる場合に必要な書類 | なし | 時間外労働・休日労働が発生したら、速やかに |
※林業、漁業、および建設業の場合は、労働基準監督署とハローワークへの提出も必要です。
本記事の執筆者
税務関連の部分:サン共同税理士法人 宮川大介(税理士)
社会保険関係の部分:山形社労士・行政書士事務所 山形日野花(社会保険労務士)
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