本日の東京為替見通し(為替/FXニュース):ドル円、米長期金利低下で上値が重い展開か(2024年11月19日)

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November 19, 2024

【前日の為替概況】ドル円、反発も155円台は維持できず ユーロドルは一時1.0607ドルまで上昇

18日のニューヨーク外国為替市場でユーロドルは続伸。
終値は1.0598ドルと前営業日NY終値(1.0540ドル)と比べて0.0058ドル程度のユーロ高水準だった。
米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.48%台まで上昇するとユーロ売り・ドル買いが先行。
20時30分過ぎに一時1.0533ドル付近まで値を下げた。

ただ、週明け早朝取引で付けた日通し安値1.0526ドルが目先サポートとして意識されると買い戻しが優勢に。
米10年債利回りが4.40%台まで低下したこともユーロ買い・ドル売りを促し、前週末の高値1.0593ドルを上抜けて一時1.0607ドルまで上値を伸ばした。
市場では「米景気の底堅さや欧州中央銀行(ECB)の利下げ観測を背景に、足もとで相場下落が続いたあとだけに、持ち高調整目的のユーロ買い・ドル売りが入りやすかった」との声が聞かれた。

ドル円は反発。
終値は154.66円と前営業日NY終値(154.30円)と比べて36銭程度のドル高水準だった。
トランプ次期政権が掲げる政策によりインフレ再燃が懸念されるほか、米連邦準備理事会(FRB)による早期利下げ観測が若干後退していることが円売り・ドル買いを促し、22時過ぎに一時155.36円と日通し高値を付けた。
ただ、買い一巡後は次第に上値が重くなった。
米長期金利が低下に転じたことなどが相場の重しとなり、4時過ぎには154.57円付近まで下押しした。

ユーロ円も反発。
終値は163.93円と前営業日NY終値(162.66円)と比べて1円27銭程度のユーロ高水準。
ドル円の上昇につれた買いが入ったあともユーロドルの上昇につれた買いが続いたため、終始底堅い展開となった。
4時過ぎには一時163.98円と本日高値を更新した。

【本日の東京為替見通し】ドル円、米長期金利低下で上値が重い展開か

本日の東京外国為替市場のドル円は、米長期金利の低下で上値が重い展開が予想される。
もっとも、FRBの早期利下げ観測が後退したことや日銀の追加利上げ時期が不透明になったことで、下値は限定的だと思われる。
注目水準としては、攻防の分岐点である一目均衡表・転換線の154.45円、一目均衡表・基準線の152.80円や200日移動平均線の151.88円などが挙げられる。

今後は、パウエルFRB議長が「経済が弱まれば利下げの余地は大きい」とも述べていたことから、12月17-18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)に向けて、12月6日に発表される米11月雇用統計に要注目となる。
また、植田日銀総裁も「12月会合では追加のデータなどを基に適切に政策判断」とも述べていたことから、12月18-19日の日銀金融政策決定会合に向けて、22日に発表される10月の全国消費者物価指数(CPI)などに注目することになる。

植田日銀総裁は、昨日の講演で金融緩和の度合いを少しずつ調整していくことは、「物価安定の目標」を持続的・安定的に実現していくことに資するとの見解を示した。
さらに、「金融緩和の度合いの調整を実際にどのようなタイミングで進めていくかは、あくまで、先行きの経済・物価・金融情勢次第だ」と述べた。
記者会見で12月会合での利上げの可能性を問われたが、「その時点で適切な判断をする」と述べるに留まり、追加利上げ時期については具体的な言及はなかった。

タカ派的な見解としては、実質金利が低水準にある中で、見通しに応じて緩和調整をしなければ「どこかでインフレ率が急に加速し、急速な金利の引き上げを迫られるという可能性もゼロではない」との指摘が挙げられる。
さらに、利上げした7月会合以降の経済・物価は想定通りであり、時期が遅れて後手に回る「ビハインド・ザ・カーブに陥らないように適切に政策判断する」との指摘も挙げられる。

また、円安の影響に関しては、その背後にある経済要因を含めて見通しやリスクへの影響を分析して「各会合で判断していく」と語った。
現状のドル円の155円付近の水準は、「輸入物価は再び上昇に転じており、先行き、物価が上振れするリスクには注意する必要がある」と指摘した7月31日の利上げ時の水準(※高値153.88円)を上回っている。
植田日銀総裁が「第1の力」として注視している輸入物価指数の10月分は、前月比3.0%上昇と、22年9月(5.3%上昇)以来の高い伸びを記録していた。

9時30分に発表される11月豪準備銀行(RBA)理事会議事要旨では、声明文でのタカ派的な見解「基調インフレは依然として高すぎる」を確認しながら、金融緩和に転じる時期を見極めることになる。

【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間

<国内>
特になし

<海外>
○09:30 ◎ 11月豪準備銀行(RBA)理事会議事要旨
○17:45 ◎ エルダーソン欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○18:00 ◇ 9月ユーロ圏経常収支(季節調整済)
○18:00 ◎ ミュラー・エストニア中銀総裁、講演
○19:00 ☆ 10月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値(予想:前年比2.0%)
○19:00 ☆ 10月ユーロ圏HICPコア改定値(予想:前年比2.7%)
○19:00 ◎ ベイリー英中銀(BOE)総裁、ロンバルデリBOE副総裁、マン英中銀金融政策委員会(MPC)委員、テイラー英MPC委員、議会証言
○22:30 ◎ 10月カナダ消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.3%/前年比1.9%)
○22:30 ◎ 10月米住宅着工件数(予想:133.5万件、前月比▲1.4%)
     ◎    建設許可件数(予想:143.5万件、前月比0.7%)
○20日03:10 ◎ シュミッド米カンザスシティー連銀総裁、講演
○20カ国・地域(G20)首脳会議(ブラジル・リオデジャネイロ、最終日)

※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

>本日発表予定のその他の経済指標についてはこちら

【前日までの要人発言】

18日10:09 植田日銀総裁
「経済・物価見通し実現していけば、政策金利引き上げ」
「日本経済、緩やかに回復している」
「金融緩和の度合い、むしろ強まっていると評価できる」
「毎回会合で経済・物価評価や見通しをアップデートし政策を判断する」
「海外経済などリスクが見通し実現確度に及ぼす影響を見極める」
18日14:03
「毎回の決定会合で入ってきたデータや情報を点検し、適切な対応を行っていくという基本に変わりはない」
「為替レートの短期的な動向にはコメントしない」
「為替変動の背後の経済要因含め、経済・物価見通しやリスクへの影響分析し決定会合ごとに判断していく」
「適宜緩和度合い調整していかないと、どこかでインフレ急加速し金利の大幅な引き上げ迫られる可能性ゼロではない」
「見通し実現の確度に自信得られたときに次のステップに進む」
「国内要因、前進見られている」
「国内経済は良い方向のデータ出ているが、全体のデータ・情報と合わせて考えてどうかみていく」
「実質金利が低いことの弊害、どこかでインフレが加速して2%超えてしまうリスク」
「12月会合では、追加のデータ、情報などを基に適切に政策判断」

18日15:47 ケント豪準備銀行(RBA)総裁補佐
「金融政策全体が他国より強力であるという証拠はない」
「ほとんどの借り手は、金利上昇に対処するためのバッファーを有している」
「フォワードガイダンスに対するRBAのアプローチを時折見直す価値はある」
「オーストラリアにおけるフォワード・ガイダンスは、米国ほど有用ではないかもしれない」

18日17:08 ナーゲル独連銀総裁
「貿易摩擦がインフレに与える影響は今のところ小さいようだ」
「貿易摩擦はインフレ圧力の上昇につながる可能性がある」

18日17:21 デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁
「リスクはインフレから成長へと移行した」
「成長見通しは不確実性の影響で不透明」

18日20:16 マクルーフ・アイルランド中銀総裁
「インフレは軌道に乗っており、12月会合の決定はデータ次第となる」
「金利の引き下げについては慎重かつ用心深いアプローチがベスト」

18日22:16 ストゥルナラス・ギリシャ中銀総裁
「中立金利は平均で約2%」
「ECBによる利下げが複数回行われると予想」
「0.25%の利下げが最適」

19日00:46 グールズビー米シカゴ連銀総裁
「財務省の決済の集中はリスクとみている」

19日04:27 グリーン英中銀金融政策委員会(MPC)委員
「英サービスインフレ率は高いものの、下降傾向にある」
「インフレ指標は概ね下降傾向にある」
「サービスインフレ率は私が望むほど速くは下がっていない」

※時間は日本時間

>本日の要人発言をリアルタイムで確認するならこちら

〔日足一目均衡表分析〕

<ドル円=154.40円台まで上昇した転換線に沿った動き>

ドル円1119

パラメーター1119

陽線引け。
153円後半の15日安値を僅かに割り込んだところで支えられ、155円前半まで反発した。
ただ15日レンジの半値戻しを達成したところで上昇は一服している。

日足一目・転換線は本日154.40円台まで切り上がり、週末には155円台乗せが見込まれる。
本日も同線の方向に沿った動きを基本としたい。
しかしながら18日安値を下抜けるようだと、152円後半の一目・基準線を目指すことになるか。

レジスタンス1 155.64(11/15-18レンジ下限からの61.8%戻し)
前日終値 154.66
サポート1 153.84(11/18安値)
サポート2 152.80(日足一目均衡表・基準線)

>ドル円のリアルタイムチャートはこちら

<ユーロドル=下向きの転換線が上値の重しとなるか>

ユーロドル1119

パラメーター1119

陽線引け。
1.05ドル前半の15日安値が支持水準として働き、同日高値を上抜けて一時1.06ドル台を回復した。

下値を切り上げてきているものの、下向きの日足一目・転換線が上値の重しとなるか。
同線は本日1.0660ドル台に低下し、週末には1.06ドル割れが示唆されている。
上抜けるようだと1.07ドル前半の基準線が意識されそうだ。

レジスタンス1 1.0661(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 1.0598
サポート1 1.0497(11/14安値)

>ユーロドルのリアルタイムチャートはこちら

<ユーロ円=164円前半の転換線や基準線がポイント>

ユーロ円1119

パラメーター1119

陽線引け。
162円前半で先週末安値を下抜けたところから切り返し、164円手前まで上昇した。

164.10-20円台には日足一目・転換線や基準線が位置している。
本日は両線を念頭に置いた取引か。
上抜けると165円超えの15日高値が視野に入ってくる。
逆に伸び悩むと、162円台で下向きの90日線が下値めどとなりそうだ。

レジスタンス1 165.04(11/15高値)
前日終値 163.93
サポート1 162.54(90日移動平均線)

>ユーロ円のリアルタイムチャートはこちら

<豪ドル円=横並びの転換線と基準線を巡る攻防に>

豪ドル円1119

パラメーター1119

陽線引け。
99円半ばの15日安値を支持に100円台まで反発。
ただし、100.91円で並ぶ日足一目・転換線と基準線の手前では上昇が一服した。

本日も転換線と基準線は同じ水準に位置し、両線を巡る攻防が注目される。
しっかり超えるようだと上昇力に勢いが付くだろう。
一方で上値の抑えとなれば、明日以降に転換線が水準を切り下げるため、「均衡表の逆転」の発生が意識される。

レジスタンス1 101.36(11/11高値)
前日終値 100.66
サポート1 99.42(11/15安値)

>豪ドル円のリアルタイムチャートはこちら

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